2013年2月27日水曜日

サトワラジムシ属

島根サンプル、簡易解剖が終了。これから一つずつ名前を決定していく。

ちょうど解剖を終えたころに卒業生が訪問。色々と面白い話を聞かせてもらった。

そうこうしてたら心強い味方、タイプ標本が届いた。海岸性のいくつかの種は、きちんと報告しておきたい。


一息ついたので、畑を耕したり、卒論原稿を修正したりして、種同定作業にとりかかる。ここからが面白い。

海岸性種に続いて、苦労させられたAgnaridae(ハヤシワラジムシ科)。いわゆるワラジムシ型の種で生態に注目している種がいる。

この仲間、やはり種分類は混乱しているようだけど、専門的に研究している人がいるので、私は全く勉強していなかった、、、おかげで苦労することに。属の分類がナカナカ難しい。

この科の中で、(九州では)最も観る機会が多いのが、Mongoloniscus(サトワラジムシ属?)。


本属の種は多く、日本から、
M. arvus ニイカワサトワラジムシ
M. circacaudatus マルオサトワラジムシ
M. hokurikuensis ホクリクサトワラジムシ
M. katakurai コガタハヤシワラジムシ
M. koreanus 和名なし?
M. maculatus フイリワラジムシ
M. masahitoi マサヒトサトワラジムシ
M. nipponicus ヤマトサトワラジムシ
M. oumiensis オウミサトワラジムシ
M. satsumaensis サツマサトワラジムシ
M. tangoensis タンゴサトワラジムシ
M. tsushimaensis ツシマサトワラジムシ
M. vannamei ヤマトハヤシワラジムシ
が知られている。

Kwon(1995)は、M. nipponicusがM. vannameiのシノニムであることを指摘しており、また、同論文で、M. tsuhimaensisがM. koreanusのシノニムであることも指摘している。ヤマトサトワラジムシ、良く使っていた和名だけど、、、。

ちなみに、上の種は、M. koreanus。