2011年7月24日日曜日

Hornungの2

今日は、来ない予定だったけど、明日提出の書類があることを思い出してしまった。そして、大学に来て気づいたけど、クモ学会の講演要旨も週明けに提出することになっていた。ということで、一気に書き上げて、明日、見直して提出。

せっかくなので、ヒノキ林調査の準備を少し進めて、ホロタイプを再確認。やはり、幾つかの部位が欠損しており検鏡できない。

昨日の論文の続き。

Surface morphology, perception(体表面の形態と感覚)

ワラジムシ類の体表面には様々な構造がある:papilla-e(乳頭突起 = 表皮細胞が変形した毛)、seta-e(剛毛)、tricorn-s(3分岐状の突起)、microscale-s(微小骨片)、pit-s(くぼみ)、minute plaque-s(微小装飾)、tubercle-s(隆起)、ridge-s(隆起)、pore-s(穴)。これらは感覚器と非感覚器の両方がある。

photo by Karasawa

多様なscale-setae(うろこ状の剛毛)、触角や尾肢のspike(突起?)は陸生ワラジムシ類に特有のもので、陸上生活への適応形質と推定される。

うろこ状、円形、多角形の微小隆起は粘着効果を下げることで、体表面を傷つけるような物質の体表面への付着を防ぐ(?)。

体表面と生息環境には密接な関係があり、Schmalfuss(1984)によって大まかに5つに区分されている:
1.地上徘徊性種は、clinger(動きが遅い、平たく・幅広な体型、太く・短い脚)かrunner(動きが速い、細長い体型、滑らかな体表、長い脚)に分けられる。後者は、原始的な形態と考えられる。*clinger:ワラジムシ属とか、runner;ヒメフナムシ属やBurmoniscus属とか。

2.真の土壌性種は、creeperと呼ばれ、小型で細長く付属肢は短い。球形になる種もいる。表皮からの蒸発率が高いので、湿度の高い環境に生息する。背面に縦に並んだ隆起があるが、それは水との接着面を少なくして、水の表面張力による引力を減らしている(?)。*日本だとナガワラジムシとか。

3.完全に丸まることの出来る種をrollerと呼ぶ。*いわゆるダンゴムシ。

4.spiny(トゲだらけ)は、リター層の外に生息する。*日本にはいない?

5.上記の5タイプに含まれないタイプをnon-conformistと呼ぶ。

これらの形態がそれぞれの環境への適応形質であることは、ミネラルの分配様式がそれぞれで異なることからも支持される。

湿度は、第1触角のaesthetask(化学受容神経のある小さい毛)と2触角の鞭状部で認識される。

第1触角の縮小は、耐捕食戦略として進化した。

ワラジムシ類は昆虫よりも耐乾燥性が低く、湿度の変化には行動することで様々な陸上環境での生息を可能にしている。

ワラジムシ類の分布は、それぞれの種の生態的耐性と適した環境の分布に依存する。

「メモ」
1.体表面構造の名称の定義が良く分からない。とりえあず、
毛のように見える:papilla-e、seta-e、tricorn-s、
突起構造に見える:microscale-s、tubercle-s、ridge-s、minute plaque-s
穴構造に見える:pit-s、pore-s
という理解。
2.Schmalfuss(1984)の区分は、eco-morphological strategyと呼ばれ、とても有名な考え。creeperの背中の隆起は、水にトラップされないため、というのは面白い。creeperは土壌性で小さいので、水の表面張力でさえ厄介なのだろう。

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