2018年11月27日火曜日

ミツバチの世界へ旅する

午前
・電気泳動
・卒論指導兼PCR実験

午後
・授業準備
・卒論指導兼電気泳動
・授業
・PCR産物の精製

先日、福岡にいく車内で読んだ。


ミツバチの世界へ旅する

ミツバチは養蜂や社会性など興味深い点が多く、古くから研究が行われているのに、まだまだ面白い発見あるのだと痛感させられる。

まず最初の発見は、個体認識能力の変化である。社会性昆虫にとって重要なことの一つに、コロニーを構成する個体の認識がある。この能力がないと、血縁がなくロクに働かないニートに住み着かれてしまう可能性があるのだ。

したがって、個体認識能力は普遍である考えられるが、実は、結構簡単に変わってしまうことを筆者は発見した。しかし、なぜ簡単に変えてしまうのか、その理由までは解明できていないそうだ。

次に、女王通しの殺し合いである。

ミツバチは、巣が巨大になると二つに別れる。この際、一方には前の女王、もう一方は新女王が引き継ぐことになる。しかし、巣の中で複数の女王が育てられるので、これら女王間で、新女王の座を巡って激しい戦いが起こっているのである。

実際には、成虫同士がバタバタ戦うのでなく、幼虫が育つ王台という場所を壊してしまうことで排除している。

最初に羽化した女王が王台を壊すのだが、この時、もう時期羽化しそうな王台を認識し、それを狙って壊すことができるらしい。

個人的に最も驚いたのが、出巣時に持ち出す餌の量だ。働きバチは、蜜や花粉を探しに巣を飛び出すが、この時に自分の栄養も持って出て行く。このとき、多くの栄養を持って行けば良いような気もするが、そうすると体重が重く燃費が悪くなる。したがって、目的地に対応して栄養の量をきちんと調節しているそうだ。

しかも、単純に量だけでなく、糖分の濃度まで評価できるそうだ。

他に脳内分泌物質の研究や、ポスドク時代のバッタやケブカアカチャコガネの話、そして、青年海外協力隊として赴任したフィリピンでの話など、話題がとても多い。シリーズ最厚かも。

著者は、進学や就職に際して、色々と悩みながら進んできたそうだ。思い通りに進めなかった経験を経て、著者は「自分が望むことをぼんやりとしか知覚できないのでは」という思いに辿りついた。
「心の中に、やりたいことがあっても、それを正確な形で思い描くことができない」と言い換えることもできる。

そして、「夢につながる道に進めなくなった時、本当に自分が何をしたいのかを、心を覗き込むようにして、じっくり考えるようになる」、、、ならざるを得なくなり、真剣に選択肢を選ぶことになるので、良い選択肢を選べるのだ、と著者はまとめる。

結果論かも知れないが、みんな、思い通りにいってる訳ではないと元気付けてくれる。卒業研究テーマ決めから、研究者になるまでの一人の人生を味わえる一冊。

もくじ
1.もう一つの社会—ミツバチコロニーの概要
2.巣仲間認識—まとまりを保つしくみ
3.フィリピンへ行ってきます
4.ミツバチの遺産相続問題
5.蜂の社会を作りだす脳内物質
6.バッタとケブカ
7.ダンスコミュニケーションと採餌
8.ミツバチの燃料調節