2015年8月16日日曜日

学力の経済学1

古いドラマのDVDにはまっていたのだが、一通り観終わってしまい、ワンピースのアニメもとうとうエースが殺されあとは盛り下がりそうなので、どうしようか悩んだあげく、24に手を出してしまった。

明日の講習の準備を少しだけして終了。DNA解析は、ソフトに問題があったのではなく、データセットに問題があることが判明した。


「学力」の経済学

先日、偶然見つけた本。とても面白い。色々な書評でも評判がよい。著者のHPも参考になる。

教育書にありがちな、ベテラン先生の教育に対する思いや経験を綴った本とは全く異なる。

教育政策の策定に関する本であるが、筆者は、「エビデンス(科学的な根拠)のある政策をすべき」と「コストパフォーマンスの高い政策をすべき」と主張している。とくに、前者を強く訴えている。

当たり前のことなのだが、本文中に良い比喩がある、、、経済財政諮問会議の席上で、教育再生の議論が上がった際、大臣が「私の経験によると、、、」と主観的な持論を展開したそうだ。

これを読んだとき、非常に的を得ていると思った。日本では、このようにおじちゃん、おばちゃんの経験で教育政策が決定されており、実は、その効果について科学的根拠がない、ことがほとんどらしい。

その無意味さは、国の教育方針が次々に変わることを思い浮かべれば、想像は容易であろう。これが、個人の家庭や民間企業であれば問題ないのだが、国の政策には税金が投入されているので、看過するわけにはいかないだろう。

一方、アメリカでは、「教育科学改革法」が制定されたため、自治体や教育委員会が国から予算をつけてもらうためには、実施しようとしている教育政策の効果の科学的根拠を示さなければならないそうだ。

では、科学的根拠とはなんだろうか。この点についても簡潔にまとめられていて非常に勉強になるが、ざっくりいうと、集団を2分割(orそれ以上)して、一方に新しい政策、もう一方にこれまでの教育をし、その成果を比較するのである。いわゆる対照実験である。「ランダム化比較試験」と言うのが正確らしいが。

自然科学を学んでいれば、「当たり前」と思う内容であるが、、、。

本書にはもちろん、エビデンスに基づく効果的な教育方法について書かれており、それ自体も参考になると思うが、その多くは米国の例であり、日本で効果的なのかについては検証が必要だろう。

では、なぜ、日本の例がないのか、、、それが正にこの本の言いたいことであろう。日本では、そのような実験が国レベルでは行われていないのである。もちろん、教育学の研究者が、個人レベルで教材に関しての効果の研究はしている。私と大学院生もカエルの解剖について、「ランダム化比較試験」を行った。

面白いネタが豊富なので、細かな点は後日紹介できればと、、、。

教員関係者は必読の一冊(ただ、今の制度にバカバカしくなるかも)。また、実験計画とその解釈に関する記述は、大学の初年時教育で数的理解のテーマとしても良さそう。数的解析を本格的に勉強しない大学生も読んでおくべきだろう。

もくじ
1.他人の"成功体験"はわが子にも活かせるのか?
2.こどもを"ご褒美"で釣ってはいけないのか?
3."勉強"は本当にそんなに大切なのか?
4."少人数学級"には効果があるのか?
5."いい先生"とはどんな先生なのか?

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