2011年4月15日金曜日

どこに行くの?

Radiation ecology of soil animals
Krivolutsky(1987)Biology and Fertility of Soils, 3, 51-55

放射能汚染が土壌動物に及ぼす影響を検討し、ミミズの指標性を示した論文。(ほぼ自分の研究の)総説なので、詳細なデータや実験方法は分からない。

1.実験的にストロンチウム90(90Sr)を添加した野外実験では、大型土壌動物(?論文中ではmesofaunaとなっている)が減少した。とくに、ミミズと多足類(ヤスデとムカデ)が著しく減少している。原因は、放射能汚染濃度の高いリターや土壌表層を利用するためと思われる。

2.また、小型土壌動物では、種多様性の減少が認められ、とくに、ササラダニで顕著であった。さらに、卵や蛹の時期を土壌で過ごす昆虫は影響を受けやすい。

4.昆虫、ミミズ、クモ、ワラジムシの致死量は、50〜200kr。その値は、植物よりも高い。*kr:放射線の単位と思われるが不明。

5.ストロンチウム90添加実験では、13年後、5〜10%が植物に吸収されるのみで、ほとんどが土壌表層(地下10cmまで)に残存した。

6.室内実験では、数100〜数1000radsで、いくつかの種において生殖不能や卵の死が認められた。ただし、野外では、他の要因(温度など)との複合的な要因を考慮しないといけない。*rad:吸収した放射線量の総量の単位。

7.ラドン226(226Ra)を野外に添加する実験を行った。ササラダニ、ハエ幼虫、甲虫幼虫、ミミズで個体数の減少が認められた。また、ミミズについては、性成熟や中腸の皮膜組織に異常が見られた。

8.土壌も食べるミミズの場合、汚染土壌を接触すると外部と内部の両方から被爆するため、放射能汚染の重要な生物指標となる。

ロシアの研究だけど、操作実験の研究をまとめたものであり、チェルノブイリ(1986年)に関連した論文ではない。したがって、この研究で示されている放射線量が、どの程度のものなのかは不明。決して、福島で土壌動物が減少するということを意味しているのではない。

予算節約のため、研究費でPCを購入しないように、という良く分からない通達がきた。どう考えても研究の必需品だと思うけど。この大学はどこに向かおうとしているのだろう。

ちなみに昨日購入したPCは私費。研究室にある5台のPCのうち4台が私費だったりする。予算は無くても必要な訳で、、、。