2019年10月2日水曜日

iDNA

午前
・標本整理

午後
・標本整理
・書類書き

近年、ヒル、マダニ、蚊などの吸血性無脊椎動物の体内に保持されている脊椎動物の血液DNAから、哺乳類の生息状況を調べる研究が行われている。

このような手法は、通称、iDNA(invertebrate‐derived DNA)を呼ばれている。

現在、卒業研究でもiDNAの研究を行なっているが、塩基配列が決定できる確率はそれほど高くない。

ヒルを使うと良いらしいが、当然ながら、ヒルがいない(低密度)地域では、他の動物を使うことになるが、それぞれに一長一短がある。

これに関連して、昆虫などのモニタリングとして採集された標本をiDNAに使おう、という論文が発表された。

トラップで採集された標本をまるごと非破壊でDNAを抽出し、そのDNAで哺乳類(もちろん、昆虫のDNAも得られる)を調べるというもの。非破壊抽出なので標本も保管できる。

PCRの成功率はあまり高くないが、昆虫モニタリングに1ステップとして組み込むことができれば、成功率が多少低くても数で補えるかも。

Vertebrate diversity revealed by metabarcoding of bulk arthropod samples from tropical forests.
Lynggaard et al. (2019) Environmental DNA, 00: 1–13.