午前
・授業準備
午後
・研究室片付け
・会議
・授業準備
研究室を引っ越して、最後まで放置していた学生用の部屋に机を運んだ。これで研究室のハードは完成した。
昼ごはんを食べながらダラダラ読んだ本。すでに結構忘れてしまった。
都市で進化する生物たち: ❝ダーウィン❞が街にやってくる
Schildluizen, M., 2018. Darwin Comes to Town. [岸由二, 小宮繁訳 (2020) “ダーウィン”が街にやってくる—都市で進化する生物たち. 草思社, 東京.].
都市化によって生じた進化を紹介した本。
猿から人が生まれるような進化をイメージして読むと騙された感じになるかも知れない。
進化とは「世代を経て集団内の遺伝的組成が変化すること」と定義されている。これを理解した上で本書を読むと、身近で、しかも人間が作り出す人工物のおかげで(せい)で、様々な進化が起こっていることに驚くだろう。
例えば、道路を作ることで往来が遮られたシロアシネズミは、公園ごとで異なる遺伝子的特徴を持つそうだ。つまり、公園ごとで独自の進化をしている。
また、羽毛の黒いハトは、明るいハトに比べて、亜鉛などの重金属を除去する能力が高い。したがって、重金属で汚染された地域では、黒いハトが適応的と考えられる。
さらには、年が作り出す、光や音、も自然界にはないものであり、新しい適応を生み出す原動力になり得る。特に、さえずりで繁殖をする鳥にとっては、大きな音は極めて厄介な問題であり、都市と田園に生息する集団ではさえずりに違いが生じているそうだ。
筆者は、これらの研究成果を踏まえて、進化を推進する都市づくりの重要性を指摘する。そして、その進化を推進する力として、分断化や外来種の存在も認めている。
都市の緑地化に関心のある人の多くは、「在来種」での緑地を目指しているが、都市環境に適応した外来種を使う方が良いという論調だ。ただし、筆者も積極的に外来種を増やそうと主張はしていない。
最後の都市のあり方については、きっと、多くの反対意見はあるだろう。人が自然に手を出す際には、何を目的にするかが重要であり、そこに唯一の答えはないと思う。
現実として生じている進化を認め外来種を取り込んだ生態系を目指すのか、これまで進化の歴史のなかで一度もなかった進化を人間が作り出して良いのか、モヤモヤして終わった。
個人的には最後の部分はモヤモヤしてしまったが、都市における進化の話はとても面白い。新しい視点で自然で見られ、研究してみたいなと思える一冊。