2012年3月21日水曜日

天狗猿

卒論の予備予備実験。テーマは人、、、さて、どうなることか。

卒論データの引き継ぎ。こちらは出来るだけ早く投稿しておきたいが、、、。

お絵描きの続き。

大学の本屋で見つけた、フィールドの生物学の新刊。


テングザル―河と生きるサル (フィールドの生物学)

テングザルという名前から予想できるように鼻の大きなサルに関する研究の本。

もちろん研究の成果もスゴいのだが、熱帯で、木の上に住むサルを研究することの大変さがヒシヒシと伝わってくる。

単身、マレーシアのボルネオ島に渡り、研究の許可を得ることに始まり、ボート(川沿いの木の上に住むため、ボートで川を移動しながら観察する)や住み場所の整備、そして、現地での調査助手の雇用などを自らの力で進めることなどの苦労話はゾッとした。本の内容のほとんどは学生時代の話なので、特に研究費も無く、その大半は自らの奨学金を使ったのだとか。

貧困ネタ繋がりで。博士号取得後、仕事が無く、食費を削るために野菜ばかり食べていたら、栄養失調の一歩手前までいったそうだ。こんなに苦労してまでも目指すのは、未知の発見、おもしろさの追求、だという。誰も知らないことを世界初めて知る面白さ、研究をする人の特権。

さて、本の内容を大雑把にまとめると、、、

テングザルといえば、川にダイビングをするサルとして知られる。しかし、川にはワニがおり、それらに襲われる可能性もある。本当は、川にダイビングをするのが目的ではなく、川を飛び越えるのが目的であり、テングザルはちゃんと考え、最も飛翔距離が短くなる場所を探してジャンプしていることを明らかにしている。

また、上記したようにこのサルは、川沿いに住むため、これまで川からの観察で研究が行われてきた。しかし、筆者は、川から離れたときの生態解明に挑んだのである(河畔林に生息するため林内に入ること自体がとても大変)。その結果、テングザルは生活の75%を休息に充てていることが分かった。ちなみに、ニホンザルは32%しか休息に充てないことからも休息時間がとくに長いことが分かる。これは、消化の悪い物を食べるため、消化時間を長く必要とすることが理由らしい。この餌と消化の関係は、テングザルの生態を解明する上で、キーワードになりそうな感じで、非常に大きな発見のようだ。

他にも、ウンピョウが捕食者として重要であることを、捕食現場を実際に観察することで証明したことや、反芻をしていることの発見など、色々と書かれている。

誰も知らないこと発見することの難しさやスゴさを感じられます。是非、一読。

ダーウィンが来た、でも特集されたそうで。