昨日の帰り際に届いた論文を読んでみる。
Carinozetes Nov. Gen. (Acari: Oribatida) from Bermuda and remarks on the present status of the family Selenoribatidae
Pfingatl and Schuster (2012) Acarologia, 52: 377–409
潮間帯性ササラダニの代表的な科の一つSelenoribatidaeに、新属を設立し2種の新種を記載した論文。記載は良いとして、個人的に勉強になったのは、科の記載者名の問題や属の分類の混乱について丁寧に議論しているとこ。
とくに、SelenoribatidaeとFortuyniidaeの中間的な種が見つかっており、この2科は一つの科なのでは?という議論は興味深い。この議論は、ササラダニ修論の分子系統の結果と絡めて利用できそう(しないと)。
ちなみに、Karasawaは論文(ドイツ語?)を読み間違えている、、、と書かれてしまった。恥ずかしい。
上記の論文で引用されていた論文。こちらもざっと目を通す。
First record of the littoral genus Alismobates (Acari: Oribatida) from the Atlantic ocean, with a redefinition of the family Fortuyniidae based on adult and juvenile morphology
Pfingatl and Schuster (2012) Zootaxa, 3301: 1–33
Fortuyniidaeの新種の記載。Fortuyniidaeの科の特徴を整理している。上記の論文でも触れているが、この仲間は水中で呼吸するための器官を持っている、ことが示されている。
良いアイデアが浮かんだので、ササラダニのDNA抽出を急遽始める。
同じようなマニアックな研究している人がいるな、Pfingatlさんか、、、あっ。昨年、日本産のSelenoribatidaeとFortuyniidaeを見直したいので、標本を送ってくれないか、と相談を受け、良いよ、と返事した人だ。忘れてた、、、。
と言っても、今年の夏にしか採集に行けてないので、どちらにせよ、最近になってしか送ることはできないのだが。しかし、黙って論文を投稿するわけにもいかず、とりあえずメールを。
その後、昨日の続きで与那国サンプルを整理し終えたところで昼。午後からは、プレパラート標本の種同定。集中力が切れたところで、今夏の池間島、来間島、宮古島のサンプルに取りかかる。
録画してきたのに、有馬記念の結果をネットで観てしまった〜。