昨日のダンゴムシ・ワラジムシ集会は無事に終了。人の入りが心配だったけど、席の7割ぐらいは埋まったかな?
有名人が他の人の発表を聞いて、しっかりメモをとっている姿を見て、もっと勉強しなければと痛感した。
発表はどれも勉強になった。
「心」の森山さんは、交替性転向反応のやり直しについての話で、ダンゴムシの転向決定が単純に刺激に対する反応だけでなく、もっと複雑な決定機構があるのでは考えているようだった。
岡山大学院生の角さんは、コシビロ2種のボルバキア感染の話で、ボルバキア感染の季節変化、とくに気温との関係について議論していた。さらなる研究が必要なようだが、それぞれの種でボルバキアの働きが異なるのではないかと示唆していた。
北海道大学の鈴木さんは、ダンゴムシの丸まる行動の意義と臓卵がその行動に及ぼす影響について議論した。とてもシンプルな疑問で実験も単純な方法であったがとても考えさせられる研究だった。ただ、外来種であるオカダンゴムシを材料としているため捕食者の選択が難しい。
近畿大学の澤畠さんは、サンショウウオによるワラジムシ類の捕食に関する話で、種によって選好性がありそうなことを示唆した上で、苦手な種でも好きな種がいると好きになってしまう可能性を示唆するなど、今後の発展が期待できそうだと思った。
岡山大学の宮竹先生は、概日リズムと脱皮の遺伝相関に関する内容。ナゼこんなことに注目するのかというと、そもそも宮竹先生達がハエでこのような遺伝相関があることを示し、動物群によってあったり、なかったりするらしい。残念ながら、今回の実験ではダンゴムシではこの関係は認められなかったが、このような新しいアプローチが新しい発見に繋がるのだろうと思った。
で、最後に私。ワラジムシ類って種分類をするの面倒なんです、という言い訳と、データベースの紹介。せっかく無線ルーターをレンタルしたのに本番中に接続不可になってしまった。キャプチャの画像で紹介したが、発表後すぐに試して頂いた方がおり、ナカナカ良い評価を頂きました。
懇親会でも面白い話を沢山聞けました。
本日は、どうしても欲しかった種の標本採集に。肉眼レベルでは狙いの種を見つけることができたが、解剖して顕微鏡で確認してみないと分からない。
夕方から桜島がきれいに見えてきた。