2019年4月23日火曜日

ヒメフナムシ属

午前
・標本整理

午後
・標本整理

水曜日の午後に提供して頂いた標本を整理する、と決めたのだが、最近は急用が入り全く進まない。ということで、今日は、一日中、提供標本の整理。

本州のある地域のヒメフナムシ属のオス第2腹肢内肢先端。


外側に膨らみ(赤矢印)があり、そこに棘(青矢印)があるのが特徴。

分布からするとニホンヒメフナムシと重複するのだが、ニホンヒメフナムシは先端が丸まるので明らかに異なる。


チョウセンヒメフナムシと結構似ているが、チョウセンは、膨らみ(赤矢印)の逆に棘(青矢印)が生えるのが特徴。


ということで、日本未記録種であることは間違いない。偶然、異なる2地域から送られてきた標本に、この形態が確認されたことから、分布域はかなり広いと思われる。

本州のヒメフナムシ属は、東はニホン、三瓶山より東はチョウセンと分布で同定された感じがあるので(私も含めて)、今後、再調査の必要がある。

形態図は以下の論文から転載。

Uber einige isopoden aus Korea (Isopoda, Oniscoidea).
Flasarova (1972) Annales Zoologici, 29: 91–113.