2011年6月30日木曜日

こんな世界

出前授業の準備、厄介書類、ゼミ+大学院授業、色々とバタバタした一日だった。

やっとSEMの調子が良くなってきたので、早く撮影をしたいと焦る気持ちが。Burmoniscus問題は土日で、SEM関係は決着を目指したい。

Burmoniscus問題。色々とやるべきことはあるのだが、まず、大きな問題として、日本のBurmoniscusは本当にBurmoniscusなのか?という根本的な疑問が残っている。日本産土壌動物(青木,1999)によるとAnchiphilosciaという、とても似た形態の属も存在するとされている。

この2属、、、とても似ている。もっとも重要な識別点は、顎脚と呼ばれる口器のこの部分。


拡大するとこんな感じで、この突起があるか、ないか、で属が分かれる。先日、どうにか確認ができたので、決着です。どっちに決着したかは論文で発表します。


ワラジムシ類の分類ってこんな感じ、、、。コシビロはもっと厄介そうなので、困った。

2011年6月29日水曜日

なぜか

厄介書類が、、、明日までの宿題がでた。

出前授業準備が、まだ1/3程度しか終わっていない。しかし、Burmoniscusに専念してしまった。どうしても脚を取り外す際に傷が付いてしまう。来週末は集中講義で潰れるので、今週の土日に決着をつけたいのだが、、、。

系統解析は、ML、MPが終わってベイズが始動。こちらはPCの頑張りで土日中には確実に終わるだろう。

なぜか画像がアップできない。

2011年6月28日火曜日

ピカっ

学生実験×2、授業準備×1、、、厄介書類で終わった。

厄介書類に関連して少し勉強したことをメモ。といっても、真面目に勉強する気力はなく、ネット検索しただけだけど、、、。

ホタルの発光について。ホタルの発光は、ルシフェリンがルシフェラーゼを触媒として、ATPと結合して発光する、、、という、かなり曖昧な理解しかなかった。

発光には、いくつか方法があるのだが、分かりやすく二つを考える。一つは、白熱電球などの「熱エネルギーを光エネルギー変換する方法」で、これがもっとも身近な発光。もう一つは、「ルミネッセンス」と呼ばれるもの。

ルミネッセンスとは、励起状態(余分なエネルギーを持ってる?)の電子が、よりエネルギーが低い基底状態に変化する際に生じる差を発光に使用するもの。ホタルの発光の仕組みはこれ。発光ダイオードもこれらしいが、、、訳が分からない

ホタルの発光に関する化学式は、ネットですぐに見つかる。発光細胞にあるルシフェリンが、色々と回り回って、オキシルシフェリンという物質になるのだが、この中の酸素が励起状態であり、それが基底状態に変化するとき、、、ピカっ。

2011年6月27日月曜日

あら探し

SEMの調子が悪いそうなので、分子データの解析を進める。何度も同じような解析をしているので、結果は分かり切っている。ただ、データを減らしたり、増やしたりしているので、その度に再解析。

相変わらず厄介書類に手間取る。週末締切だとか、、、。

借り暮らしのアリエッティ、観た。まあまあと言った感じか。ジブリじゃなかったら、普通に観られたのだろうけど、無意識にジブリハードルが存在してしまう。

良かったのは、借り(猟り?)に行く時の、両面テープで壁を登ったり、釣り糸使って懸垂下降したり、とか、人間の家を移動する動作は面白かった。あのあたりを膨らまして、トイストーリー風にドタバタコメディーにした方が面白かったのかも。あと樹木希林が怖かった。小人退治にネズミ業者を呼んでしまう発想がかなり怖い。何でそこまで嫌うのかずっと不思議だったけど、「借りる」を「盗む」と考えていたのか。

イマイチだったのが、メインは、オトコの子とアリエッティの関係性なんだろうけど、仲良くなったのでアリエッティが家を離れたくなくなるのは分かるとして、オトコの子はどうして、手術を受ける勇気が湧いてきたの、、、。途中までは、人間と小人の共生の話なのかと思ったけど、そんなこともなかった。

まとめると、動きのアイデアとかは面白かったけど、話としてはイマイチかな、、、と。小人が普通に話しても声が小さくて人間には聞こえない気がするし、ピクサーだったらコメディーにできるかな。

あら探しということで、ダンゴムシの脚の数を。

歩いているときは7本あるけど。


ひっくり返ったら5本しかない。触角がスゴいところから出てる、、、。

2011年6月26日日曜日

共生細菌の世界

時差ぼけは治らず。早朝にやっと寝られた。

ということで昨日に続き、大幅に遅れて大学に到着。Burmoniscus問題と出前授業の準備。

Burmoniscus問題、属名については決着。重要な表徴をSEMで確認。かなりの前進。脚についてはSEMだと分かりにくいので、線画を描く必要が、、、。どうやら、2種という結論になりそう。1種は未記載種。記載をするには綺麗な標本が欲しいので、とりあえず、sp.で論文を書いてしまう予定。

出前授業準備は、準備の準備をして終了。

金曜日に大学の本屋で見つけた本。


共生細菌の世界―したたかで巧みな宿主操作 (フィールドの生物学)

面白い。このシリーズは面白いけど、少し高いか。

共生というと、イソギンチャクとクマノミみたいなイメージがあるけど、この本で扱われているのは、内部共生と呼ばれ、宿主の細胞の中に生息している細菌の話。

このような細菌は、内部共生細菌と呼ばれ、宿主にとって不可欠な場合もある。例えば、アブラムシ。彼・彼女らの吸う植物の汁はアブラムシが生きていくには栄養が足りないのだが、共生細菌が必須栄養素を作り出してくれる。共生細菌を殺してしまうとアブラムシは生きていけない。

一方、宿主にとってこれといって得のない内部共生細菌もいる。著者の専門としているキチョウはこっち。ちなみに、ダンゴムシも内部共生細菌を保持するが、こっちの例に当てはまる(セルロース分解に関係する内部共生細菌の存在も議論されているが、、、)。

さて、面白いのは、自然選択は個体の遺伝子を多く残す戦略が進化する訳だが、仮に、共生細菌が宿主の母親→卵→子という経路でしか伝播しない場合、宿主の雄は生まれない方が細菌は多くの遺伝子を残すことが可能となる。

そして、実際に、そのような戦略が進化している。例えば、宿主が息子を産むと殺してしまう「オス殺し」、雄を雌に変えてしまう「性転換」、そして、非感染雌が子どもを産みにくくなる「細胞質不和合」、など。

著者は、ヴォルバキアという細菌がチョウの雄を雌に変えてしまう「性転換」を発見し、これは昆虫では世界初の発見だったそうだ。

モヤッとしか知らない分野だったので、とても勉強になった。

ヨーロッパでは、ヴォルバキアによるダンゴムシの性決定はとても盛んに研究されている。この本でも少し触れられているが、ダンゴムシなどの甲殻類は性ホルモンの量によって性が決定されるのだが、昆虫は性ホルモンで性が決定しないそうだ。したがって、ダンゴムシの場合、細菌は性ホルモンの量を調整すれば性を制御できるが、昆虫はそうはいかない。著者はここを突っ込んでスゴい業績をあげている。

直接参考になりそうなところとして、ヴォルバキア感染が遺伝子浸透を通して、ミトコンの系統樹を狂わせるという話。スロヴェニアでもTaitiさんが形態とミトコン系統樹の関係が合致しないことを悩んでたけど、私もしばしばこのような状況に出会う。やはり、核を調べないとダメなんだろう。

高校時代、彼氏と同じ大学に行くつもりが自分だけが合格して、当初は大学生活がつまらなかった、とか、面白エピソードもあったり、研究をガシガシ進めて行く感じが伝わる、一気に読める本。

2011年6月25日土曜日

ワクワク感

数日しかいなかったのに時差ぼけになったらしい。朝方まで寝られず(暑さのせいか?)、結局、40時間ほど起きてた。結構、起きていられるもんだなと関心。

大幅に遅れて大学にきた。目下、来週金曜日の小学校での出前授業が重要課題。新ネタを考えているがどうなることか。とは言え、学会帰り直後、研究のことばかり考えてしまうので、全てを放置して、BurmoniscusのSEMの準備。これで終わった。

国際会議のアルバムが出来たそうだ。誰でも見られるのか

個人的には、この写真にとても興奮。


TaitiさんとZimmerさん、分類学と生態学のエースの対面。北斗の拳で言えばラオウとケンシロウ、スラムダンクで言えば仙道と流川、あしたのジョーで言えば丈と力石、タッチで言えば上杉達也と新田明男、ワンピースで言えば(これからあるであろう)麦わらと赤髪、、、、、の対決みたいなワクワク感と言うと分かりやすいか、、、。

Zimmerさんは、ワラジムシ類と微生物の相互関係の観点からリター分解の研究を推進し、最近は繁殖様式も研究をしている。HPを見た感じだと、甲殻類全体を扱っているみたい。

ワラジムシ類の研究を始めるにあたって、別刷りを一式送ってもらった。リターpHを操作して微生物量を制限したり、抗生物質を使って腸内微生物を殺してから摂食量を調べたり、母親の摂食量を制御して子どもの成長率を調べたり、日本では全くやられていない研究ばかりで興奮しながら論文を読んだ。

ほとんど会場にいなかったのに2枚ほど私も写真もあった。

発表中。


眼鏡の人特集。

2011年6月24日金曜日

ISTIBの復習

暑い。

またもや飛行機では一睡もできす。かれこれ30時間ほど起きている。機内では、映画3本(アリス・イン・ワンダーランド、あしたのジョー、ザ・ライトーエクソシストの真実ー)とテレビ番組(世界不思議発見とか、相棒とか)の録画放送を観つつ、将棋に燃えてた。羽田空港に着いた時、東野圭吾×2がちょうど終了。大学までの道のりが暇なので、さらに1冊ゲット。ちょうど読み終わった。

ほとんど会場にいなかったけど、一応、メモ。

生理・形態とヴォルバキアは、(ワラジムシ類は)日本であまり研究されていないので、結構、差がついているのかも知れないが(知識が無くて良く分からなかった)、生態・分類はあまり日本と違いはないと思った。発表内容は、(お世辞でなく)日本人の3人の内容が特に面白かった気がする。

八巻さん他:海洋島である硫黄島のリターから水生等脚類のミズムシの未記載種?を世界で初めて発見した。同じ海洋島である小笠原諸島では、完全に陸に適応したフナムシが発見されている。陸生種が貧弱だったので、進化したのだろうと考えられているが、今回も同様の例か?と考えているようだ。

新倉さんと八畑さん:ハマダンゴムシの分子系統地理。海流分散が重要だろう、という結論だけど、面白かったのが、氷河期に海水面が下がると朝鮮半島と九州が陸続きなるため、この時期、対馬海流は日本海に入れなくなり、暖流は黒潮だけになるので、これが分散に重要な影響を及ぼした、というもの。今になって気になってきたけど、氷河期に分布が北上するというアイデアは問題ない?

鈴木さん他:飼育実験でハマダンゴムシの交尾時期を特定していた。これ自体も面白かったけど、「ハマダンゴムシは1回の交尾で1回産卵するけど、オカダンゴムシは1回の交尾で何回も交尾できる」、「オカダンゴムシは精子を溜めておく特別な組織がある」、「ハマダンゴムシ雌の生殖孔は5腹節にある」などなど、私が知りたかった知識が次から次と出てきてビビった。交尾時の腹肢の利用方法についても教えてもらった。一気に疑問が解消した感覚。

海外の人で面白かったのは、

Hornung et al:種によって、性比のバラツキに色々なパターンがあり、繁殖戦略と関係があるのだろう、と期待しているみたい。オスとメスで利用環境が異なるという論文もあるそうで、ナカナカ面白そう。ただ、質問されてたけど、ヴォルバキアとか、性決定要因の至近メカニズムが厄介そう。

Szekeres et al:体サイズごとに落葉の食べ方を比較し、小さな個体は柔らかい組織のみを食べ、消化率が大きな個体よりも良いことを示していた。ということなので、摂食実験の際には、体サイズを揃えなければならない。

Quadros et al:ワラジムシ類の擬死行動(動かなくなる)を種間、体サイズ、性別などで比較したり、刺激の与え方も3種類試すなど、実験方法もナカナカ面白そうだった。森山さんの研究と少し雰囲気が似ていた。卒論に良いかも。

そして、ある意味、一番気になったのが、

Montesanto et al:イタリアから初めてイリドウイルスを報告。シチリア島の一地点から4種の青色ワラジムシ類を発見し、TEMと遺伝子を使ってIIV31であることを証明した。つまり、私達と全く同じをやっていた。結果も同じ。アジアのデータに興味がある、ということなので、早く論文にしたい。寿命の結果もほぼ同じ傾向だった。
やはり感染方法に興味があるようで、面白いアイデアが、ワラジムシ類の体内には線虫が入り込むことがあるそうで、これが感染に関係ないかな?と考えているらしい。線虫の画像はなかなかグロテスクだった。これまで調べたことがなかったので、これからは注意したい。

TaitiさんやMontesantoさんに、「昨日いなかっただろ」と言われてしまった。とても申し訳ない気持ちになった。学会中はやはり会場にいないとダメだなと、、、。

最終日に生態の口頭発表があり、ここで、ZimmerさんやHassallさんが発表することになっている。残念だけど、これぐらいの日数が私には限界だった。

2011年6月23日木曜日

First contact

会場はこのホテル。


発表も小さな部屋一室のみ。かなりこじんまりとした国際会議でした。


今回、最大にして唯一?の目的は、この人に会うことだった。


Dr. Taiti。イタリアの研究者で、ワラジムシ類の分類研究の中心的存在。メールで「教えて」と相談したら、色々と相談にのってくれた。Cubaris論文は実際に原稿を読んでくれて、アドバイスを頂いたり

お互いに発表を見ていたので(ポスターも少しだけ皆の前で話した)、顔は分かっていた。First contactはポスター会場で、目が合った瞬間に握手した。ちょっと感動してしまった。私のポスター発表についても色々とアドバイスをしてくれた、、、と言っても、もっと他の形質も見なさい、というアドバイスだったけど。でも、結果はクリアなので、あとは学名を決めて早く発表しなさい、と。あと、新種の記載をする前に、まず、日本の記載種の整理に集中しなさい、それが全ての基礎になる、というアドバイスも。

2011年6月22日水曜日

誘惑

今日は学会はサボることに。有給とって、私費で来てるので、特に問題はない、、、観光ついでに学会に参加している、、、。

24日の10時頃に福岡に到着予定なのだが、午後に大学院生向けの授業があり、その準備を全くしていない。ということで、ホテルにこもって準備。飽きてきたとこで、湖畔の最大の見所のブラッド城に行ってみた。崖の上の城。湖が一望できる。


今回は採集をしない、という強い決意できたが、城の周辺が良い雰囲気なので、少し調べてみることにした。

スゴいボケているけど、オカメワラジムシの仲間。日本では見たことがなかったけど、こちらでは簡単に見つけることができた。場所によっては集団でいた。


石や倒木の下に一番多かったのがこの種、Porcellio属の一種。普通種なので、帰国してから図鑑で調べれば名前は判明すると思う。メスはほとんどが抱卵中。また、オスはメスよりも小さい。


他に2種(ヒメフナムシ属の一種と良く分からない種)を見つけることができた。ダンゴムシ類は見つけられなかった。

タマヤスデも発見。画像では分からないが、日本の種よりも大きく、オカダンゴムシよりも一回り大きい印象。


真っ黒なナメクジ。カッコいい。


林床をガサガサ探していると腕がチクチクと痛む。これが結構痛い。直感では、虫ではなく、植物のトゲだな、と。


近くに生えている植物を調べてみたら、やはりトゲが。


明日は、生態のポスター発表があるので参加する予定。その後、明後日、早朝の飛行機に乗るため、空港近くのホテルに移動。

2011年6月21日火曜日

でかい

どうにか発表が無事に?終了。

昨日は、シャルル・ド・ゴール空港で8時間ほど待ちぼうけをした後、飛行機で1時間20分ほど飛んで、スロヴェニアのリュブリャナ空港に到着。

日曜日ということでバスが運行していないそうなので、タクシーで近くの町まで移動(海外初タクシー)。30分程度かかった。そこから、バスに乗り換えて40分ほどで、ホテルのあるブレッド湖に到着。

日本時間だと、18日15:00に大学を出て、20日0:00頃にホテルに到着、ということかな。この間、ほぼ一睡もできなかった。

ブレッド湖はとても綺麗な湖で観光名所になっており、湖畔に沢山のホテルがある。


イメージ通りの中世の教会やお城もある。


日本でもレストランに行かないのに、海外で行けるハズもなく。頑張ってファストフードが限界。以前ヨーロッパに来たとき大変お世話になったのがトルコ料理のケバブ。どの国に行っても必ずある。今回もホテルの目の前に店があった。ということで購入。調理しているところを見てたら、、、嫌な悪寒。

デカイ。しかも肉が大量。見てるだけで気持ち悪く、、、。


翌日、同じミスをする訳にはいかない、ということで、今回は別の店でハンバーガーに、、、デカイ。直径で、モスバーガーの1.5〜2.0倍といった印象。

2011年6月19日日曜日

初めての

21:55成田発。初めてのエールフランス。JALと共同運行ということで、フランス語、英語、続き、日本語の説明が入る。


機内食は2回。晩ご飯。


約12時間のフライトを経て、現地時刻4:30頃に到着。初めてのシャルル・ド・ゴール空港。日本時間だと19日の11:30頃。外の気温は12℃だとか。


まだ、ほとんど人が居ない。スロヴェニア行きの飛行機は12時過ぎなのでパリ市内に出掛けることもできるが、福岡・成田空港で両替所が終わっていたので、現在、1ユーロも持っていない。ということで何もできず。


機内ではほとんど寝られず、映画を3本(ツーリスト、セックスフレンド抱きたい関係、アジャストメント?)と、サッカーのゴールシーン特集とか、日本の観光地特集とか、観てしまった。

2011年6月18日土曜日

東野とふらい

とうとう出発、当日。とっても憂鬱。ただ、研究のことを考えられる状況でない人が沢山いることを考えると、キット、幸せな状況なのだろう、と思える。

私にとって長旅唯一の楽しみは、暇つぶしの本。前3回の至ヨーロッパは、司馬遼太郎だった。昨日、東野圭吾ドラマを観てしまったので、今回は、東野圭吾×2。偶然、本屋で、すーぱーふらい、のアルバムを発見。新発売ということなので、購入。ホテルから会場まで徒歩1時間ぐらいなので、暇つぶしになるかな。

そして、一番苦労するのが食事。食べる事に興味がない上に、言葉が通じないという2重苦。食べなくても良いや、となってしまう。特に、今回は日数が短いので絶食に挑戦しかねない。一応、カロリーメイトを多めに持っていく。

相談用の図を準備。これ全部別種の可能性が高い。属も3、4つあるみたい。私の考えでは、3種は外来種の可能性が高い。


図鑑をたどればどうにか学名をつけることは可能だろうけど、いくつか(ほとんど?)の種については、色々と問題が残っている。結局、21世紀になっても、日本に生息している多くの動物で、名前すらまだ分かっていない、、、そして、人知れず絶滅している。こんな状況をどうにか打開したい、と思い日々研究をしている。

ということで、1週間ほど音信不通になります。

2011年6月17日金曜日

オンナとオトコとすうがく

生物科学が届いた。脳の性差を特集している。

ヒトについては、長谷川眞理子さんが書かれている。

ヒトの脳の性差をどう考えるか?ー研究の視座から社会的意味合いまでー
長谷川眞理子(2011)生物科学, 62, 239-246

ヒトの性差を学術的に研究しようとすると、社会問題が絡んでしまい大変だそうで。男性が男性らしくなり、女性が女性らしくなるのは、遺伝子のせい?それとも社会的要求のせい?とか、、、。

本筋とは関係なく、あっ、と思ったのが、性的二型は、配偶システムだけでなく、子育てシステムにも関係している場合がある、というところ。言われてみれば当たり前。ワラジムシ類では、オスの脚がふさふさになる傾向があり、個人的には、交尾の際、メスを捕まえるのに効果的なんだろうと考えていたけど、もしかしたら、抱卵の邪魔になるのかな。

そして、一番面白かったのが、「The Mathematics of Sex」(Ceci and Williams, 2010)の引用部分とそれに関連した記述部分。

多くの国で、理工系職業につく女性の数は、男性よりも少なく、また、すぐれた数学者の多くは男性である。男女平等の世界では、この事実は、性差別の影響なのか、それとも、この分野は生物学的に男性の方がすぐれているのか、と激しく議論されてきた。

そこで、上記の本はこの問題について色々と調べたそうだ。その結果、空間認知能力やホルモンに依存した違いに性差はあるが、それが数学能力の主要因とは言えない。一方、先進国において、教育の歪みや社会的偏見によって、女性が数学で良い成績を目指すことが抑制されているという証拠もない。

では、ナゼ?とても面白い考察をしている。

数学の能力にすぐれた女性は他の能力もすぐれていることが多く、医学や法学などのキャリアを目指すことが多い。一方、数学にすぐれた男性は、他の分野の能力は低いので、その道に進む、、、って。つまり、数学が優秀な女性はとても優秀なので、だったら他の仕事に就きたがるということ。

足の腫れは昨日の夕方から変化なし。噛まれた部分は青黒腫れてる。画像を載せるにはグロすぎる、、、。

2011年6月16日木曜日

なくなった

昨夜、寝ていたら足がチクッと。家では良くある事で、ゴキブリかムカデだろうと、、、。

気にせずそのまま寝ようと思ったら、ジワンジワン痛み出した。ムカデか、、、と。以前、無視して寝たら2カ所目を噛まれた経験があるので、捕獲することに。

ナカナカの大物でした。


この大顎でガシっと噛み付いて、神経毒を注入してくる。ムカデに噛まれた時の痛みは、物理的な痛みではなく、神経毒による痛みらしい。大学でこの話を聞いたとき、不思議に思い、わざわざムカデに指を噛ませたら一日中苦しんだ覚えがある。


普段の足(左足)。


噛まれた右足、翌朝。噛まれたのは、中指と薬指の間。血管が見えなくなってきた。


昼。親指側の血管も見づらくなってきた。


夕方。足首のくびれが完全になくなった。


ルフィに近づいたかも

2011年6月15日水曜日

ノコギリ?

授業×1。

あとは、Burmoniscus問題論文化に向けての作業。

学生が3階の窓の外にクワガタを発見。どうにか採集してみた。


ノコギリクワガタだと思って採集したけど、顎の湾曲具合とかトゲトゲ具合とか、私の印象とは若干異なる。私はいわゆる昆虫少年だったわけではなく、大学で、トある大御所の講義を聞いて、土壌動物の世界に足を踏み入れたので、昆虫の分類に関する知識は皆無に等しい。図鑑で調べてみたところ、どうも小型ノコギリクワガタということで良いみたい。

クワガタのことは良く分からないが、ワラジムシのことなら、、、。Burmoniscus問題第一段は、沖縄に生息する種の学名の問題。島間で別種が生息する、という意見と、全て同種とする意見がある。簡単に片付くだろうと思ったけど、実はとっても厄介な状況で、形態では変異がなさそうだけど、DNAでは明瞭に変異がある、という状況。形態変異が見つかれば、別種、ということで終わりだけど、、、。ということで、ここ最近は、表徴の内で定量化できそうなものを計測していていた。

そして、(何度か登場したけど)こんな図が完成。島間で違いがあったり、無かったり、、、。


さらに、横軸に体サイズ、縦軸に表徴をとってみたら、明らかに体サイズに依存して変異していることが分かった。4つの形質全てで同じ結果。つまり、ある島には、小さい個体がいて、ある島には大きな個体がいて、その結果、色々な形質に違いが見られ、それを基に種分類を議論をしていたみたい(他の形質も議論されている)。


完全変態の昆虫のように成体の齢が一定の動物は体サイズで議論しても良いのだろうが、ワラジムシ類は、死ぬまで脱皮し続けて体サイズが大きくなり続ける動物。たまたま小さい個体ばかりをとった可能性がある。どうするか、、、。

珍しく嬉しい連絡が届く。

2011年6月14日火曜日

急げ

学生実験×2、授業準備×1。火曜日は何も出来ない。

学生実験は今年で4年目だけど、気づいたことは、(多分)昆虫嫌いの程度に雌雄差はないのでは。アンケートではなく、生理反応を指標にして測定したら面白いと思うけど、何か良いアイデアはないものか。瞳孔の開きとか調べれば良いのか?

7月1日に小学校で出前授業があるので、その準備も少しだけ進める。晴れたら校庭で土壌動物探しでOKなのだが、雨が降ったら、、、。あと、小学校って気合い入れて校庭の落葉を掃いてしまうので、その点も少し怖い。

学会の時にも話を聞いていたが、名著、日本産土壌動物の改訂版が出版されるらしい。



土壌動物を網羅した図鑑は世界的にみても希有な存在。とってもスゴい図鑑。大学院の時に自分用に購入し、ササラダニとワラジムシのところはボロボロに。日本にこんな不思議な動物がいるのかと、眺めているだけでも面白い。

これが10年以上の時を経て出版されるのは嬉しい限り(出版がいつになるのか不明だけど、数年後でしょう)。ササラダニとトビムシは別冊なるという噂だけど、、、。3部冊で10万円近くになるのかな。でも、買わない訳にはいかないよな、、、。

私は著者ではないのだが、問題となるのは、私の中では、学名が変更になると確信を持っている種。私が確信を持っていても学術的には何の意味も無いので、、、。今年中に論文にすれば、対応可能ということなので、急いで論文にしなければ。とくに、コシビロは属がかなり変更になる予定。とりあえず、Cubaris問題(1種)、Burmoniscus問題(3種)はどうにかなる。コシビロがどこまでいけるか、タテジマ問題、セグロ問題、トウキョウ問題までどうにか、、、キラウラ問題は無理だろう。

2011年6月13日月曜日

探し物

科研報告書を無事に提出。学生実験の準備×2。

Cubaris論文は、トある国の大御所に読んでもらっていたが、大体良いでしょうと。The pictures are very good、と珍しくほめられた。少し修正が必要なので、それはスロヴェニアで説明する、、、と。メールで説明してもらった方が理解できるのだが。どうにか今月中に投稿できそう。

Burmoniscusの解析もポチポチと進めるが、やや怪しい雲行き。Burmoniscus問題第一段も今月に投稿までいきたいが、、、。

沖縄の思い出。今回の訪沖で最大の目的はこの種だった。首里城の目の前で見つけた。図鑑をたよりに同定していくと、きっと、シュリコシビロダンゴムシということになるのだろうけど、、、残念ながら、分類学的にかなり問題のある種。すでに検討はついている。でも、論文になるのはいつのことだろうか。


これは未報告種。これもおおよそ検討が付いている。多分、外来種(or広汎種)。

2011年6月12日日曜日

違法行為

ポスターは完成、印刷へ。科研報告書もとりあえず版が完成。明日、見直して提出。

スロベニアのホテルも予約してみた。そもそも会場がホテルなので、そこに泊まれば一番楽だったんだが、すでに予約で一杯。少し離れた場所に予約。ずっと外国人と一緒だったら多分、嫌になると思うので、結果的には良かったのだろう。

昨日、買い物帰りの道路で発見。なかなかのサイズのウシガエル。せっかくなので捕まえたかったが、特定外来生物に指定されているので、捕まえると違法行為となる。個人の場合は最高300万円の罰金。



場所は、街灯の無い田舎道のセンターライン近く。のんきに写真を撮っているうちに自分が轢かれるのではないかとやや心配になった。

2011年6月11日土曜日

雨降らし

出遅れ気味に大学に。ポスター作りに専念。途中、厄介書類の相談をするが、これと言って良いアイデアは出ず、そのまま提出。科研報告書は手つかずのまま。

ポスターはとりあえず版が完成したが、いつまでたっても英語能力が上達しないことに、ある意味驚く。図が多いので言葉の説明がかなり重要だが、、、多分、無理。補足用の図と文章を大量に持ち込む必要がある。月曜日には印刷に出す必要があるので、明日で決着を。


沖縄の思い出。海岸で(多分)アメフラシの仲間を見つけた。こんな動物が沢山いるのだろうけど、素人ではナカナカ気づかない。こちらから動画が見られます。アメフラシといえば、学習の研究材料としてとても有名で、高校生物でも扱われることがある。ちなみに、アメフラシの研究でノーベル賞を受賞している人もいる。

2011年6月10日金曜日

ダンゴムシのオシッコ

科研報告書とポスターを進める予定だったが、気になって仕方ないので、今日は一日、Burmoniscusに集中。何となくイメージができて、気持ちが落ち着いた。

とある人から質問。ダンゴムシはオシッコをするのか?結論から言うと「しない」。

そもそも、ナゼ、オシッコをするのか?これは高校生物で習う内容で、アミノ酸を分解するとアンモニアが生成されるのだが、生物にとって有毒なので、体外に排泄する必要があり、オシッコとして排泄している。

ちなみに、人などのほ乳類、両生類、サメなどは、アンモニアを肝臓で無毒の尿素に変えてから排泄する。この尿素は水に溶けるので、いわゆるオシッコとして排泄できる。

鳥やは虫類は、尿酸の形で排泄することになるのだが、尿酸は水に溶けないので、どろっとした形で排泄する。車のフロントガラスなどにくっ付いていてガッカリするあの「鳥の糞」。白いヤツは、実は糞ではなくオシッコだったりする。

そして、水中生活する動物の多くは、有毒のアンモニアのまま体外に排泄することができる。体外に出してしまえば、水に溶けて拡散されるので安心、ということらしい。

では、ダンゴムシは?今のところ、ワラジムシ類の体内から尿素は発見されておらず、アンモニアと尿酸が見つかっている。尿酸は、体内でアンモニアに変えてから排泄する。では、どうやって、アンモニアを排泄するのかというと、一つは、糞に混ぜて排泄する。もう一つは、ガスとして排泄する。つまり、ダンゴムシは、アンモニアを「ウンチとオナラ」で排泄している。したがって、オシッコはしない。

アンモニア排泄は水中生活する動物の特徴なんだけど、、、ワラジムシ類は元々、海に住んでいたので、そのときの名残なんでしょう。あと、乾燥にとても弱いので、オシッコで水分を捨ててしまうのは、もったいないのだろう。

巣箱を取り外していたら、まだ子育て中だった。邪魔をしてしまった。無事に成長してくれれば良いが。

2011年6月9日木曜日

またまた発見

ポスターと科研報告書は週末に決着をつける、ということで、今日は、放置しまくっていた研究室の整理で一日が終了。あと、どうしても気になって仕方なかったBurmoniscusを少し調べるが、簡単には解決せず。

カシワの葉を食べているオカダンを発見。


先日のとは異なる株。今回はてっぺんまで登っていた。

2011年6月8日水曜日

回避

厄介書類はエイヤで提出。人を厄介にする書類は微修正だったのでチャンと対応して提出。科研報告書は一通り書き終えた。あと数回は見直す必要はあるが。

授業×1を終え、今週はもう授業が無い。ということで、とりあえず危機的状況は回避。早速、スロヴェニアのポスター作りを始める。いつものごとく、必要な図をポチポチ貼ってみる。英語でまともな説明ができそうにないので、あまり細かいことは載せない。


ポスターとは別に、相談用の写真を持って行く予定だが、こちらの方が大変そう。

沖縄の思い出。ヒザラガイの仲間、、、だと思う。


大学近くの海岸でも見つけることができるけど、コウイカの骨。これが体内にあるので、コウイカの体は堅く、(多分)それが「甲イカ」の由来。


イカに骨?骨って脊椎動物の特徴では?イカって脊椎動物?

イカは軟体動物で、広く捉えれば、貝の仲間。もちろん無脊椎動物。ちなみに、無脊椎動物は、脊椎動物ではない動物の意味で、単系統ではない。

新しい指導要領では、中学校理科で脊椎動物と無脊椎動物の勉強をするだが、無脊椎動物の代表として、イカの解剖をすることがあるみたい。解剖にコウイカを使ったら面白いかも。

ちなみに、これは骨ではなく、貝殻の痕跡