2013年12月31日火曜日

今年を振り返る

Burmoniscus11種問題論文に向けて、以前、描いた下絵をスキャナーで取り込んだり、足りない部位のお絵描き用解剖を行う。その後、古い本をコピーしてから自炊を行う。これで今年の業務は終了。

昨年の大晦日は卒業研究の手伝いでカメラの回収に行っていたのか。

今年の元旦の抱負は、、、

「Burmoniscusは2本は必ず投稿する」と書かれているが、結果的には、1本のみであった。また、「ササラダニ、、、サソリモドキ、、、」とあるが、ササラダニはすでに投稿したが、大きな後悔をすることになった。サソリモドキは来年まで持ち越しとなった。

「今年を振り返る」

現在、4本が審査中。数としては決して多くはないが、個人的には、ワラジムシ類の分類の論文を2本投稿できたのは大きかった。絵の書き方や解剖のコツ、標本の保管方法など、一連の流れが少しは身に付いたと思うので、来年はもう少しペースが上がると思う。

初めての屋久島は学生と一緒だった。海外には、採集で台湾、国際学会でコスタリカに行ったのは海外苦手は私としては上出来か。国内調査では、徳之島、沖永良部島、沖縄島、伊是名島、四国に訪れたが、これらの成果が論文に繋がらないは大きな反省。

あとは、日本土壌動物学会を無事に開催できて安心した。これは学生の頑張りが大きかった。

「来年の目標」

3月までに、サソリモドキ論文の投稿、ダンゴムシプロジェクトのwebシステムの構築。

6月までに、Brumoniscus11種問題論文の投稿。

その後、タテジマコシビロダンゴムシ種問題論文、Burmoniscus疑問種(1種)を投稿する。

国際学会と採集?で2度は海外に行く。

教育関係では、食う食われるの関係(ミジンコ?)と分解者(シロアリ?)を扱った小学〜大学生向けの教材を作る。

自分のこと以外では、ワンピースが実質2日分しか進んでいないのが気にかかる。

2013年12月30日月曜日

keel

Treefinderを使ってサソリモドキのML系統樹作成。これまで使用したことがなかったで、何だかんだで実行するのに2時間近くかかった。

無事に系統樹を描いてくれた。OTU100弱、600bp強、ブートストラップ100回で、4時間くらい?使い方と時間が分かったので、これからもう少し悩んでみるか。

9月に購入したサソリモドキの種名を確定させるため、文献と標本をにらめっこ。サソリモドキの研究をしているとは言え、この仲間は日本に2種しかおらず、その2種しか基本的には研究対象としていないので苦戦を強いられる。

手持ちの標本はどうやら亜成体のようで、種名の確定まではできなかったが、属は分かった。属の同定には、前体部の目の近くあるkeel(赤矢印)の有無が重要なのだそうだ。


そもそもkeelが分からないのだが、幾つか文献を比較しているうちに、この標本はkeelはあるのだろう、と思えてきた。


他には前方の目の間の構造物も重要だった。


種レベルの表徴は、やはり生殖器官の構造が使われている。日本産の種でも重要な種の表徴である後体部2、3節目の形態を観察してみると、似ている種が文献に見つかったのだが微妙に異なる気もする。


日本産の種では、亜成体のとき、これらの形質は中途半端なイメージだが、正にそんな感じ。もちろん、他にも沢山の形質を観察する必要がある。

他に、ちょっとワラジムシ類の形態の勉強をして終了。

2013年12月29日日曜日

再実験

コシビロのDNA抽出の続きと、全く増えてくれないサソリモドキの核DNAを濃度と温度を変えて再実験で終了。

さすがに大学に来る人は少なくなってきた。

2013年12月28日土曜日

生殖突起

今日まで集中講義があったので、時間割担当として、確認をする役目を担う。と言っても、ずっと研究室にいたけど。

研究室では、コシビロの修正と回答文書き。すぐに書き終わったと思ったが、せっかくなので生殖突起の知識を整理しておくかと思い、勉強してたら色々と問題点に気づいてしまった。恐らく、今日、送信しても正月休みが終わらないと対応してくれないだろうから、もう少し悩むか。

Contribution to the phylogenetic system of the Crinocheta (Crustacea, Isopoda). Part 1. (Olibrinidar to Scyphacidae s. str.)
Schmidt (2002) Zoosystematics and Evolution (=Mitt Mus Nat kd Berl Zool Reihe??), 78: 275–352.
のMale genital papilla(雄の生殖突起)の項の全訳をこちらに載せたので、興味のある人は見て下さい。


高次系統の名称が良く分からない人はこれを参考にして下さい。



最近、しばしば歯茎が痛むのと定期検診のため、昨日、歯医者へ行ったら、診察するとすぐに「歯が削れてますね。強く噛み過ぎて、歯茎が腫れてます」と。このような状態になると、疲れなどで体調が悪くなると歯茎が痛むのだとか。

「マウスピースして寝てるんですよ」と聞いたら、「ここまで削れているということは、普段から強く噛んでる可能性がある」とのことで、良く噛む⇒噛む筋肉発達⇒良く噛む、のサイクルに入ってしまったのだろう、と。

「普通の人は、何もしていない時、上の歯と下の歯は少し隙間が空いているのですが、どうですか?」と聞かれ、昨日から意識しているけど、何かに集中すると歯を食いしばっていることが判明。意識して歯を開くようにすることにした。

2013年12月27日金曜日

シロアリの辞典

昨日の中間発表を聞いて、3月の生態学会に向けてもう少し頑張らないとマズいなと思い、急遽、コシビロのDNA抽出を開始。

サソリモドキについて、共同研究者からメールが、、、なぜ、こんなに仕事が早いのかと不思議に思う。

改めて年末にやっておくべき業務を書き出してみるが、どう考えても終わりそうにない、、、。

少し前に購入した本。


シロアリの事典

目次
1.シロアリと環境
2.シロアリと他の生物との関係ー寄生から共生までー
3.最新シロアリ生理学
4.カースト分化の生理機構
5.シロアリコロニーの遺伝構造と繁殖システム
6.シロアリの行動戦略
7.シロアリと防除対策
8.シロアリを利用する
9.シロアリと教育

1章は、熱帯を中心に、分布や生活史特性が簡潔に記載されており、熱帯におけるこれら動物の生態系機能としての重要性が理解できる。

2章は、木材を利用するために不可欠な腸内微生物から、かの有名なターマイトボール、さらには、共生線虫や巣内共生昆虫など、シロアリとともに生きる生物が網羅的に紹介されている.

3章は、古くて新しい?テーマの難分解物質セルロースとリグニンの分解酵素の話の他、哺乳類と共通のホルモン、ノルハルマンの話、そして、言われてみれば確かにと思った、水の少ない木材の中で生きるシロアリの水の使い方の話を扱っている.

4章と5章は、日本の誇る世界的な研究のオンパレード。例えば、シロアリには、いわゆる働きアリがいるのだが、その働きアリの中にも色々な分業があり、戦闘要員や育児に関わる個体などその役割は多様である。また、これらの役割によって形態も変わるのだが、生まれたときは皆同じで、成長とともに”何らかの要因”でその役割が決まる。現在、最新の分子生物学的手法を用いてこの”要因”の特定が進められており、次々に新しい知見が見つかっている.

6章は、同位体を使った大きなスケールの食性の話から、個体レベルの認識や反応に関する話などで、個人的には、シロアリの噛む力の計測方法のアイデアに感心した。

動物としてシロアリに興味がある人以外は、普通、7章に一番興味がいくのだろう。シロアリと聞けば大半の人が想像するであろう、家を食べるムシ=シロアリ、の被害からどのように守るのかという研究が紹介されている。4章や5章の研究成果を応用した防除法の開発も進められており、シロアリ研究の奥深さを痛感させられる。

8章と9章は、シロアリの研究以外の利用についてである。例えば、シロアリの材を分解する力を応用してエネルギーを作りだせるかも知れない。

で、この本を購入した最大の理由は9章で、教育への利用について書かれている。現役の教諭、もしくは、教諭経験のある方が執筆を担当しており、実践例が書かれているので、そのまま授業で使用することもできるだろう。腸内微生物の観察や道しるべフェロモンなど、私自身も実践している内容も多かったが、水素やメタンの実験などはやってみたいと思った。

文頭の推薦のことば、に紹介されているが、日本のシロアリ研究は、世界トップレベルである。その最新の研究成果が1冊で網羅できる、オススメの1冊。

2013年12月26日木曜日

ダンゴムシプロジェクト

コシビロ論文の審査結果に対応するためには、図を増やす必要があり、その解剖とお絵描きを始める、、、そして、終わった。

放置業務の一つに、新しい手法を用いたワラジムシ類の広域分布調査方法(ダンゴムシプロジェクト)の確立がある。iPhoneのアプリを使った方法で、九州大学博物館の先生との共同研究なのだが、半年ほど放置してしまった。

このまま年越しは、さすがにマズいと思い、卒業生に手伝ってもらって試行運転を始めることにした。説明用のサイトも作成したが、急いで作ったため、所々、日本語がおかしい。試行運転を手伝ってくれる方がいたら連絡頂けると助かります。

午後は、昨日に引き続き卒論の中間発表。これまた昨日に引き続き、皆、自分の研究内容を理解しているようで、ひとまず安心。

しかし、皆、イントロが分かり難かった。結論との整合性を取りながら書くと書きやすいのだが、まだ簡潔な結論を導けていないので、もう少し苦労が必要かな。ただ、例年に比べて、まずまず順調な気がする。

これで、しばらく学生の対応は無くなるので、明日からは研究に集中が出来そう。

2013年12月25日水曜日

バイオロギング

年末になり自由な時間が増えるはずだったのだが、仕事の依頼は減ったが、その代わりに放置業務が色々と見つかり、結局、その処理に追われ、普段よりもバタバタした日々を送っている。

会議×2に参加、紛失しそうな感じで放置されている論文の自炊、卒論の中間発表で終了。中間発表は学生の頭の中では整理されている感じで、少し安心した。

色々と放置されている机の上を整理していると発見された本。メモしていないようなのでメモ。


サボり上手な動物たち――海の中から新発見! (岩波科学ライブラリー)

今、注目を浴びている研究、バイオロギングの本。

バイオロギングとは何か?

一応、私も生物の研究をしているのだが、対象とする生物を理解するために人は、その生物を良く観察する。観察には、野外でひたすら待ったり、飼育したり、しばしば解剖することもある。

しかし、バイオロギングでは、動物にカメラやGPS、加速度計などを付けることで、動物の視野や動きを測定する。つまり、動物そのものの活動をデータとして計測する。

この本では、海鳥、イルカ、ペンギン、アザラシと海に住む動物が対象となっているのだが、海に住む動物は陸に住む動物以上に観察が難しいので、このような方法がとくに重要になったのだろう。

研究成果から、それぞれの動物の新しい一面が紹介されており、研究に興味がなくても動物が好きな人なら楽しめるのではないだろうか。

バイオロギングは動物がどのような行動しているのか調べることが当初の目的だったのだが、タイトルから分かるように、実は、動物が動いていない、ことが判明したことが重要な成果であり、このような発見は、仮説検証実験ばかりに目を向けていてはできない。調べる、ことの難しさと面白さを感じれる一冊。

目次。
1.実は見えない海の中
2.他者に依存する海鳥ー動物カメラで調べる
3.盗み聞きするイルカー音で調べる
4.らせん状に沈むアザラシー加速度で調べる
5.野生動物はサボりの達人だった!

類似本。


バイオロギング―最新科学で解明する動物生態学 (WAKUWAKUときめきサイエンスシリーズ)

こちらの方が、内容は詳しい。やはり対象は海の動物が多いが、ネコや人でもやってますよ、という記述もある。バイオロギングを研究している研究室の紹介や研究機器の開発の歴史も非常に興味深い。これらの機器、そして、そのデータを使いこなすには、工学や数学の知識も必要であり、ブレイクスルーを起こす人は、このように複数の分野に詳しい人なのだろう。

目次。
1.バイオロギング入門
2.ウミガメ
3.海の哺乳類
4.魚類
5.鳥類
6.バイオロギングでこんなことまで!