2012年1月24日火曜日

性的対立

今日も、解剖を100個体弱進める。昨日、準備しておいた標本を共同研究者に送ったが、京都は大雪のため、配送が送れる場合があるとか、、、。福岡も少し積もった。

Wikiに載ってしまうくらい有名な生態学者、宮竹先生の本。この本と同じシリーズで、ビックネームが続く。次は誰なのかな。


恋するオスが進化する (メディアファクトリー新書)

面白いです。テーマは、簡単に言うと、「交尾に対する意気込みが、オスとメスでは違う」ということかな。

表紙をめくると、「動物のオスとメスが出会い、愛し合って子どもを作る。あなたがそう思っていたら、本書に衝撃を受けるだろう。」、と書かれている。衝撃を受けて下さい。

性的対立と呼ばれるこの研究分野は、2つの衝撃的な研究により、その口火が切られることになった。

1つ目。1995年、ショウジョウ(?)バエの精液の中に、メスの寿命を短くする物質が含まれていることが発見された。つまり、交尾をするだけで、メスは寿命が短くなってしまうのである。

2つ目。ヨツモンマメゾウムシのメスは、交尾するオスをキックして振り落とす。そこで、メスの脚を切断してみると、オスは普段よりも長時間交尾ができることが分かった。つまり、メスは、オスと交尾をしたくないのである、、、ナゼ。そこで、衝撃的な写真が登場。これは、オスの交尾器の先端で、危険極まりないトゲトゲが生えている。で、メスの生殖器の内壁は傷だらけになっており、交尾をしたメスの寿命は短くなることが分かった(実際はもう少し複雑)。

で、疑問。オスは、ナゼ、毒物質やトゲトゲを進化させ、自分を産んでくれるメスを傷付けるのか?

バサっとはしょるけど、これらの形質は、オスが自分の精子を確実にメスに使わせるために進化したのである。ちなみに、メスも寿命が短くならないないように対抗策を進化させていることも分かっている。

つまり、オスとメスは、交尾に対して対立してしまう(性的対立)。

こう考えるとまたまた、不思議な疑問が出てきて、メスは交尾で被害を受けることが多いのだが、それにもかかわず、複数のオスと交尾をするメスが存在する、、、ナゼ。これはまだ、解決していない問題なんだとか。

そして、これらの研究は、ただ俗的に面白いということだけでない。害虫を駆除する方法の一つに、生殖能力のないオスを大量に放ち、野生のメスと交尾をさせ、繁殖を阻害し、個体を減らす方法がある。この方法では、生殖能力のないオスが、きちんと交尾をする必要があるのだが、その理解には、この性的対立の解明も重要となる。日本でも沖縄のハエを根絶するのに、この方法が用いられたのだが、筆者も関わっていたのだとか。

この手の本の醍醐味、著者の生き様。やはり、素晴らしいことが書かれていたのでメモ。1年生の授業で使おう。

「世界で自分だけが知っている謎。これを知る瞬間をもてることこそ研究の醍醐味だ」
「高校までの勉強は先人が研究して明らかにしたことを学ぶものだが、大学では、世界で誰も知っていないことは何か、を知るための学びから始まる」
「大学での研究は未来の教科書を作るためにある」

一つ気になったのが、ワラジムシが交尾前ガードをする、と書かれているが、このワラジムシは何を指しているのかな?ISOPODA(ワラジムシ目)のことかな。陸生ワラジムシ類は交尾前ガードしない、と思うが。

本の構成は、性と性選択の紹介をした後、性的対立へと流れる。ただし、記述が、かなり擬人化されているので、分かりやすいが、少し注意が必要かも。この手の話題は、研究結果を拡大解釈して、人に当てはめて面白おかしく書いた本もあり、過去に学術書で批判されたこともある。この本は、日本のトップの研究者が、面白おかしく書いた本である。

宮竹先生は、最近、ダンゴムシに興味があるらしいので、そのうち、ダンゴムシの交尾でも新しい発見があるのかも。

2012年1月23日月曜日

放置

時間がありそうで、なかった一日。

解剖を100個体弱進める。

共同研究者へ送る標本の整理をしたが、本日発送に間に合いそうにない。多分、そのまま倉庫に放置されるのだろう。生体なので、明日、持って行くことに。


カーズ2 [DVD]

カーズ2を観た。スパイネタとレースネタが絡み合いながら進んでいく、アメリカの実写映画でありそうな構成。ナカナカ、面白かったけど、ピクサーがやらなくても良いのに、という気もする。トイストーリーとか、モンスターズインク並のピクサー期待をしないで観た方が良いかも。

2012年1月22日日曜日

と

寝坊+強い雨、で、予定を変更して大学に来て、お絵描きを進めることに。

とあるお菓子のCMにハマってしまった。でも、この面白さ、理解できるのは、県外から福岡に移住した人だけだろうな、というかなりピンポイントなセンス。

お菓子の名称「とっとーと」、、、何がなんだか分からないが、博多弁辞典によると、「とっています・場所や物を確保する事」とある。

使い方例によると、質問「とっとーと?」、答え「とっとーと」、でいけるらしい。

博多弁の特徴の一つが、語尾に「と」がつくこと。疑問・いいきりの「と」と現在進行形の「と」があるらしい。

ちなみに、沖縄弁で最も衝撃的だったのが「だからよ」。沖縄の人は普通に使う。かなり、適用範囲が広く、理解が難しい。日本語かどうか検討する必要があるとか、、、。

お絵描きは、北大東島から記載された種。固有種と考えられている。私の中では、確かに、日本に広くに分布する種とは明らかに違うが、、、という扱い。

2012年1月21日土曜日

オッチャン

今日は、実験用のBurmoniscusを必要量採集するだけだったのだが、予想外の珍道中になってしまった。

Burmoniscusは南方系の種で、福岡県では、中部以南に生息しており、南に行くほど密度が高くなる印象。

とりあえず、私の知る北限地点に向かってみた、、、大学を出て早々に、ウサギの礫死体を発見。一部、カラスにえぐられていたが、腐敗はしていない。


目が可愛い。


このまま道路に放置しておいても轢かれるだけだろう、草食動物の骨格標本はあった方が良いな、ということで、持ち帰ることに。どうせ、今日の採集はすぐに終わるし、、、。

で、北限に到着したが、ほとんど発見できず。ということで、もう少し南下。

とある神社で、低密度ながら発見できた。ここでしばらく頑張れば大丈夫かな、と思ったが、小学生がかくれんぼを始めてしまった。「ヒソヒソ・・・あそこで変なオッチャンが地面眺めてるんですけど〜(想像)」といった雰囲気になってしまったので、敢えなく撤退。

さらに、南下したが、良いところが見つからず。

なぜか、「俺は自分の道を進むんだ、カーナビの言うことなんて聞いてられるか」と感情的になり、カーナビの「直進せよ」を無視して、右折したら、、、高速に乗ってしまった。すぐに降りるのももったいないな〜ということで、以前、採集したことのある久留米まで行ってしまった。

2012年1月20日金曜日

交尾器

卒論発表会の講演要旨が今日、締切だった。A42枚だけど、ナカナカ大変だった。どうにか提出。少し余裕ができる。

Rで緯度経度データを地図に落とす方法にしばらく格闘。色々とネットで探してみる。順調に進むかに思えたが、Windows PCが必要になったところで中止。とはいえ、3月までにはマスターしなければならない事項。

午後からは解剖に没頭。150個体ほど終えた。あと600個体ぐらい、、、西表島だけだけど。

西表島のBurmoniscusは交尾器をみれば種同定ができる。ちなみに、ワラジムシ類の交尾器はこうなっている。これは腹側の写真。


赤丸を拡大。


で、これをピンセットで大事に外すと、こんな感じ。

真ん中がペニスで、その外に、第1腹肢内肢、さらに、その外に、第1腹肢外肢がある。ワラジムシ類の場合、雌の生殖孔にペニスは挿入せず、第1腹肢内肢を挿入する(ペニスより、長いのが分かる)。したがって、分類群によっては、この形態に変異が生じ、種の表徴として「利用可能な場合」がある。Burmoniscusは、ナカナカ有用なので、私はしょっちゅうお絵描きをするハメになっている。

ちなみに、外肢には、孔が開いていて、ワラジムシ類は、その孔で呼吸をしている。


この写真、以前、学生が携帯を顕微鏡に押し付けて撮影してたので、それを真似て撮影してみた。


関東では初雪だとか。福岡はここ数日は雨降りで、少し暖かい。来週から寒くなるらしいが、明日はまだ暖かいらしい。ということで、久しぶりに採集へ。

2012年1月19日木曜日

分かっていない

ちょっとだけBurmoniscusの解剖を進める。

明日に迫った卒論要旨締切。どうにかメドがついた感じ。

大学院生が作ってくれた図。座った状態から立ち、また、座りかける行動の模式図。



半年かけて、こんな単純な行動も、定量的に調べれば、面白いことが分かるかも、ということが分かった。結局、何も分かっていないのだが。

できれば、大きな研究に発展してほしい。

2012年1月18日水曜日

ツワブキ

カエル論文の2稿を修正して提出。表の引用が大幅に間違ってた。

締切間近の卒論直しを頑張ってみたり。

家の近くにツワブキが咲いていた。こんな時期に咲くのか?