今週は特別授業が2つあり、その準備に手間取る。
まずは明日、家庭科と技術科と合同の微生物に関する実習。で、水曜日には、普段の授業に高校生が参加するということなので、多少は分かりやすいように手を加えてみようとするが、、、。
ちょうど微生物実習で分解者のレジュメを作成していたら、他の授業で分解者の課題を出された学生が相談にきた。土壌動物を分解者に加えるべきなのか、という、なかなか扱いにくい問題。一通り説明してみるが、どのような説明をするのかな。
今週の土曜日がオープンキャンパスなので、午後は、皆で大学構内を綺麗にしましょう、というイベントに参加して、ゴミ拾い。
その後、日曜日に神戸で採集したコシビロの整理を少しして、自炊PDFの取り込み作業をして終わり。
昨日、名古屋から帰る途中、神戸で下車して、コシビロ採集を行ってきた。場所は、摩耶山、という逆から読んでも、まややま、というところ。登山道の入口が良く分からなかったので、途中までケーブルカーに乗って行く。
なぜ、ここで採集したのかというと、コシビロに残された厄介な問題を解決するため。
その厄介な問題というのは、ワラジムシ類を扱う人の多くは、日本産土壌動物という本を参考にしているハズなのだが、実は、これには全てのワラジムシ類が掲載されているわけではない。
コシビロに関しては、この本が発刊される前にすでに日本から報告されていた5種が未掲載となっている。どうも、当時、これらの種の実体が良く分からず、しかたなく掲載しなかったそうだ。記載分も短く、タイプも全て海外にある(or無い)ので、すぐに手を付けられる状況ではなかったと思われる。
で、そのうち4種は琉球列島産なので、とりあえず、現在、悩んでいる関東産の種問題には関係ないのだが、Spherillo nipponicus、として記載された種が、西日本全域から採集した標本に基づき記載されており、どうも、アレらしい、と予想されたので、それを確かめるために採集をした、ということ。
で、厄介なのは、この種、奈良から鹿児島の霧島までの標本に基づき記載をしているのだが、私の調査では、このような分布をしている種はいない。そう、それらの標本には、複数の種が含まれている可能性が高い。そして、論文中でホロタイプを指定していないので、これらの標本はシンタイプとして扱われ、これら全体で種の基準となっている。もし、本当に複数種を含んでいるならば、基準にならないので、これらの中からレクトタイプを指定しなければならないわけで、、、いつになったら終わるのか。