2012年1月31日火曜日

あつまれ〜

授業の準備、その他諸々で終わった。研究は全く手つかず。

3月17〜21日に、滋賀県の龍谷大学にて開催される日本生態学会第59回大会で、ダンゴムシに関する自由集会が開催されます。

企画責任者は、あの宮竹先生です。心の森山先生とか、青色のじゅじゅちゃんとか、日本のダンゴムシ研究者の約半数が集結、、、。

Workshop 17 March 17:30-19:30 Room G
W17 日本に生きるダンゴムシの不思議
企画責任者:宮竹貴久(岡山大院環境)

日本人にとってダンゴムシは子供のころから親しむ身近な生き物の一つだ。しかし人の身近に棲むオカダンゴムシが明治時代に外国から日本にやってきた外来種であることは一般にはそれほど知られていない。日本の照葉樹林にはコシビロダンゴムシ類という在来種が生息している。この馴染み深いダンゴムシ類についての研究視点は、いま、実に多方面に展開しつつある。本自由集会では、日本産ダンゴムシ類に関して得られている分類学と生態学の知見、外来種オカダンゴムシの分布拡大状況、認知行動科学の材料として見たオカダンゴムシの魅力、そしてウイルス感染したワラジムシ類の症状など、生態学の枠を超えダンゴムシマニアな目線で熱く語りあう。

分類学から生態学へ
* 唐沢重考(福岡教育大),本多正尚(筑波大)

青いワラジムシ類について
加藤朱莉(つくば市立竹園西小学校)

ダンゴになるだけが能ではない
森山 徹(信州大・若手拠点)

外来と在来ダンゴムシの日本におけるせめぎ合い
高橋祐衣,五島千秋,* 宮竹貴久(岡山大院環境),三浦一芸(NARO)

ちなみに、自由集会は、大会に参加していない人でも参加できます。多分、生態学会会員じゃなくてもOK、、、のハズ。

2012年1月30日月曜日

終了

卒業研究の発表会が終了。

今年の発表題目は、

1.土壌動物の活動時間は光反応性で決まる?
2.カブトムシの多型とその役割
3.光に反応するササラダニ類は足が速い?
4.DNAデータに基づいた九州・沖縄産コシビロダンゴムシ科の多様性解明
5.オカダンゴムシの歩き方に個体差はあるのか?

でした。

行動に関する研究が多かったのが特徴。それにともないササラダニを飼育したりとか、動画解析とか、赤外線カウンターとか、新しいことに挑戦しました。どうなるか不安もあり、実際、まとめ方に色々と苦労したけど、新しいことが分かったし、面白かった。

発表会開始。


待機中。


終了後。


懇親会会場に早く着いちゃった人。

2012年1月28日土曜日

汗だく

先日、設置してきたトラップの回収。

学生が、いかんともし難い状況に陥り、一人で回収に、、、乱ペースとなり、汗だくになってしまった。

明日は卒論発表会。今日も色々な課程で発表会をしているみたい。本学は、土日にやるが常識らしい。

2012年1月27日金曜日

集合性

研究以外の作業に時間を割いた一日。

日曜日が卒論発表会ということで、その指導もしてみたり。

気になっていた論文をやっと読んだ。国際的なワラジムシ類マニアの集まりでも発表されていた。

Individual Preferences and Social Interactions Determine the Aggregation of Woodlice
Devigne et al. (2011) PLoS ONE, 6

ワラジムシの集合行動を引き起こす原因の実験検証を試みた論文。これまでの研究は、集団形成の適応的意義や環境条件を調べた研究が多いが、本研究では、個体間の相互作用の役割を調べている。

実験系は単純だけど、面白い。塩ビ管で作った円形の実験場内に2つのシェルター(ガラス板)を作り、さらに、それに赤色セロファンを載せて明るさを変化させたりしている。そもそも、シェルターを設置しない、単純環境も準備している。明るさも3段階、試したり。

ただ、結果の解釈が少し分かりづらい。

大まかな結果としては、

1.どの条件においても最終的には壁際に大きな集団を形成する。その前に、小さな集団を形成することも多い。強明条件では、やや形成過程に違いが見られる。

2.シェルターの実験では、最終的には、どちらか一方のシェルターに大きな集団を作る。赤色と無色のシェルターでは、赤色を明瞭に選考するが、赤色の濃さの違いに選好性はない。

で、考察としては、

1.最終的に壁際に集団を形成する、無色よりは赤色シェルターを好むことから、走触性(thigmotaxis)と負の走光性は持っていると考えられるが、その性質だけでは、集団形成は説明できない。なぜなら、走触性が効いているだけなら壁沿いにランダムに停止して良いハズ(壁に触れる前に別個体に触れれば集団が形成されるが)。負の走光性が効いているなら、2つの赤シェルターに分かれて集合しても良いハズ。したがって、なんらかの個体間の関係が働いている。

2.最終的な大集団を形成する前に小さな集団を形成することが良くあるが、そのような集団はシェルターの外など、あまり良くない環境に形成されることがある。これは、個体間の関係性によって、引き起こされていると考えることができる。これを集団的な意思決定とか協同的な意思決定と読んでいるらしい。

3.また、2のような一見、適応的でない行動の意義の解明は今後の課題。例えば、大きな集団では、競争が激化するので、あえて小さな集団を好む可能性がある。これは、それぞれの集団のコスト&ベネフィットのトレードオフで決まると考えられる。

個体間にどのような作用が働いているのかについては不明。個人的には、走触性+αでも説明できる気がする。つまり、個体に触れるのと壁に触れることを、違うと認識していれば、壁沿いは好むけど、別の個体を探すことになり、出会ったら止まることになる。このαを個体間作用という表現しているのだろうが。

個体の適応的な行動よりも集団(他個体)により行動が決定してしまうという考えは面白かった。

チャンと集団で行動できない個体とか、走触性とか、本筋とは違った部位に、(私にとって)とても大事な事が書かれていた。

2012年1月26日木曜日

頑張って

3年生の卒論手伝で裏山登り。

色々と問題が生じてみたり。やはり、始めないと分からないことも多いなと。大学内カメラ設置、頂上カメラ、ふれあいカメラは電池切れで回収中。

共同研究者に送られたワラジムシ達。無事に到着したらしい。

福岡県産クマワラジムシ。外来種。


茨城県産ワラジムシ。外来種。


で、先日、採集してきた福岡県産Burmoniscus。小さいのが良く分かる、、、というか、これが普通で、良く見かける外来種のワラジムシ類がデカイのだけど。


頑張って良い結果を出すんだぞ、、、。

2012年1月25日水曜日

ミズノロダニ

時折、激しく雪が降ったり。

久しぶりに授業。将来、体育の先生になる人達に、顕微鏡の使い方を教える。

ビオトープから水を採って来て、プランクトンを調べる。

淡水性のワラジムシ類がいたり。


で、どこかで見覚えのある生き物が、、、ササラダニだ。淡水性ササラダニのミズノロダニ属の一種。初めてみた。こんな近くにいるとは。色々と調べてみたい。


卒論発表の練習もしてみたり。内容は十分に面白いと思った。分かりやすくする努力が必要かな。

明日は、一日中、3年生の卒論手伝いで終わりそう。

2012年1月24日火曜日

性的対立

今日も、解剖を100個体弱進める。昨日、準備しておいた標本を共同研究者に送ったが、京都は大雪のため、配送が送れる場合があるとか、、、。福岡も少し積もった。

Wikiに載ってしまうくらい有名な生態学者、宮竹先生の本。この本と同じシリーズで、ビックネームが続く。次は誰なのかな。


恋するオスが進化する (メディアファクトリー新書)

面白いです。テーマは、簡単に言うと、「交尾に対する意気込みが、オスとメスでは違う」ということかな。

表紙をめくると、「動物のオスとメスが出会い、愛し合って子どもを作る。あなたがそう思っていたら、本書に衝撃を受けるだろう。」、と書かれている。衝撃を受けて下さい。

性的対立と呼ばれるこの研究分野は、2つの衝撃的な研究により、その口火が切られることになった。

1つ目。1995年、ショウジョウ(?)バエの精液の中に、メスの寿命を短くする物質が含まれていることが発見された。つまり、交尾をするだけで、メスは寿命が短くなってしまうのである。

2つ目。ヨツモンマメゾウムシのメスは、交尾するオスをキックして振り落とす。そこで、メスの脚を切断してみると、オスは普段よりも長時間交尾ができることが分かった。つまり、メスは、オスと交尾をしたくないのである、、、ナゼ。そこで、衝撃的な写真が登場。これは、オスの交尾器の先端で、危険極まりないトゲトゲが生えている。で、メスの生殖器の内壁は傷だらけになっており、交尾をしたメスの寿命は短くなることが分かった(実際はもう少し複雑)。

で、疑問。オスは、ナゼ、毒物質やトゲトゲを進化させ、自分を産んでくれるメスを傷付けるのか?

バサっとはしょるけど、これらの形質は、オスが自分の精子を確実にメスに使わせるために進化したのである。ちなみに、メスも寿命が短くならないないように対抗策を進化させていることも分かっている。

つまり、オスとメスは、交尾に対して対立してしまう(性的対立)。

こう考えるとまたまた、不思議な疑問が出てきて、メスは交尾で被害を受けることが多いのだが、それにもかかわず、複数のオスと交尾をするメスが存在する、、、ナゼ。これはまだ、解決していない問題なんだとか。

そして、これらの研究は、ただ俗的に面白いということだけでない。害虫を駆除する方法の一つに、生殖能力のないオスを大量に放ち、野生のメスと交尾をさせ、繁殖を阻害し、個体を減らす方法がある。この方法では、生殖能力のないオスが、きちんと交尾をする必要があるのだが、その理解には、この性的対立の解明も重要となる。日本でも沖縄のハエを根絶するのに、この方法が用いられたのだが、筆者も関わっていたのだとか。

この手の本の醍醐味、著者の生き様。やはり、素晴らしいことが書かれていたのでメモ。1年生の授業で使おう。

「世界で自分だけが知っている謎。これを知る瞬間をもてることこそ研究の醍醐味だ」
「高校までの勉強は先人が研究して明らかにしたことを学ぶものだが、大学では、世界で誰も知っていないことは何か、を知るための学びから始まる」
「大学での研究は未来の教科書を作るためにある」

一つ気になったのが、ワラジムシが交尾前ガードをする、と書かれているが、このワラジムシは何を指しているのかな?ISOPODA(ワラジムシ目)のことかな。陸生ワラジムシ類は交尾前ガードしない、と思うが。

本の構成は、性と性選択の紹介をした後、性的対立へと流れる。ただし、記述が、かなり擬人化されているので、分かりやすいが、少し注意が必要かも。この手の話題は、研究結果を拡大解釈して、人に当てはめて面白おかしく書いた本もあり、過去に学術書で批判されたこともある。この本は、日本のトップの研究者が、面白おかしく書いた本である。

宮竹先生は、最近、ダンゴムシに興味があるらしいので、そのうち、ダンゴムシの交尾でも新しい発見があるのかも。