2013年2月28日木曜日

カラスザンショウ

朝一で耕作。昨年、移植したカラスザンショウが落葉中。何だか不思議な感じ。

 
島根サンプルの難解種をDNA抽出してPCR、そして、バンドが確認できたのでシークエンスへ。

DNAを調べれば、種として分けるのか、分けないのか、の参考にはなるが、どの属や科に入れるのかについては他の種の情報が少ないので、まだ難しい。

ずっとAgnaridaeのとある種だろう、と思っていたのが、解剖の結果、明らかに違うことが判明。何となく種小名は分かったのだが、属は分からない。午後はずっとこれにハマっていたが、結局、結論は出せず。

2013年2月27日水曜日

サトワラジムシ属

島根サンプル、簡易解剖が終了。これから一つずつ名前を決定していく。

ちょうど解剖を終えたころに卒業生が訪問。色々と面白い話を聞かせてもらった。

そうこうしてたら心強い味方、タイプ標本が届いた。海岸性のいくつかの種は、きちんと報告しておきたい。


一息ついたので、畑を耕したり、卒論原稿を修正したりして、種同定作業にとりかかる。ここからが面白い。

海岸性種に続いて、苦労させられたAgnaridae(ハヤシワラジムシ科)。いわゆるワラジムシ型の種で生態に注目している種がいる。

この仲間、やはり種分類は混乱しているようだけど、専門的に研究している人がいるので、私は全く勉強していなかった、、、おかげで苦労することに。属の分類がナカナカ難しい。

この科の中で、(九州では)最も観る機会が多いのが、Mongoloniscus(サトワラジムシ属?)。


本属の種は多く、日本から、
M. arvus ニイカワサトワラジムシ
M. circacaudatus マルオサトワラジムシ
M. hokurikuensis ホクリクサトワラジムシ
M. katakurai コガタハヤシワラジムシ
M. koreanus 和名なし?
M. maculatus フイリワラジムシ
M. masahitoi マサヒトサトワラジムシ
M. nipponicus ヤマトサトワラジムシ
M. oumiensis オウミサトワラジムシ
M. satsumaensis サツマサトワラジムシ
M. tangoensis タンゴサトワラジムシ
M. tsushimaensis ツシマサトワラジムシ
M. vannamei ヤマトハヤシワラジムシ
が知られている。

Kwon(1995)は、M. nipponicusがM. vannameiのシノニムであることを指摘しており、また、同論文で、M. tsuhimaensisがM. koreanusのシノニムであることも指摘している。ヤマトサトワラジムシ、良く使っていた和名だけど、、、。

ちなみに、上の種は、M. koreanus。

2013年2月26日火曜日

ヒイロワラジムシ属

島根サンプルとたわむれる一日。

途中、大学業務に手を出すが、他の先生が入力してくれたデータを消してしまうという失態。どうなるのか、、、。

海岸性第3段、Littorophiloscia(ヒイロワラジムシ属)。これも当初苦戦したが、比較的早い段階で種名まで確定した。

Littorophiloscia属の種としては、日本からは1種L. nipponensisのみが知られている。


1cmに満たない小さなワラジムシなので、解剖しているうちにボロボロになってしまう。触角が片方しかないのは、解剖したため。

で、これもLittorophiloscia属の種で、L. nipponensisとは別種、、、そう、日本未記録種。種名は確定している。

2013年2月25日月曜日

ウミベワラジムシ属

午前は、入試のお手伝い。

午後は、島根サンプル処理。途中、ちょっとだけ厄介書類。

ナカナカ苦労した海岸性のワラジムシ。多分、Quepartoniscus(ウミベワラジムシ属?)で良いと思う。


本属の種としては、日本から
Q. nipponensis ニッポンウミベワラジムシ
Q. setoensis セトウミベワラジムシ
Q. toyamaensis トヤマウミベワラジムシ
Q. tsuhimaensis ツシマウミベワラジムシ
の4種が知られているが(布村,2011)、種を確定するにはもう少し気合いを入れた解剖が必要。ただ、未記載種の可能性は低い。

2013年2月23日土曜日

ハマワラジムシ属

島根サンプル。ナカナカ面白くなってきた。

島根サンプルでは、海岸性種が多く含まれている。基本的に、私は、コシビロとBrumoniscusを専門的に研究しており、海岸性種をチャンと観察する機会がない、というのが、現在、苦戦している最大の理由。

海岸の代表的な属、Armadilloniscus(ハマワラジムシ属)。


日本からは、
A. albus シロハマワラジムシ
A. amakusaensis アマクサハマワラジムシ
A. brevinaseus ハナビロハマワラジムシ
A. hoshikawai ホシカワハマワラジムシ
A. japonica ニホンハマワラジムシ
A. notojimensis ノトチョウチンワラジムシ
が知られている(布村,2011)。このうち、ノトは後日詳しく触れるとして、Kwon(1995)により、A. hoshikawaiとA. amakusaensisは、A. ellipticusのシノニムであると議論されている。2011年の論文では、これを踏襲していないので、さて、どうしようか。

これらの種、重要な分類表徴の一つとして、頭部先端の突起の尖り具合がある。これが分かるようで分からない。

これは尖るタイプで間違いないのだろう、ということで、A. japonicaで良いかな。


これは、幅が広いタイプだけど、広いのにも広いのとやや広いのがあり、これはタイプ標本を見ないと分からない。ということで、こちは不明こちらの種名は未確定。


このSEM撮影をしていて、面白いことを発見してしまった。

2013年2月22日金曜日

先が

島根サンプル処理。分かってきたり、分からなくなってきたり、といった状況。とは言え、少しは先が見えたかも。

写真撮影にも挑戦するが、こちらは全然だめ。

午後からは高校へ行って、これから一緒に行う研究についての相談。交替性転向反応になるかな?面白いことができると良いけど、、、。

帰ってきてから、卒論原稿読みと、ササラダニ論文の修正で終了。

2013年2月21日木曜日

ニホンタマワラジムシ

午前は予定通りに島根サンプル処理を進める。難しい。どうやら、タイプ標本を調べないとダメらしい。

とりあえず、すぐに決着がつく外来種を整理。九州では見ることができないPorcellio scaber(ワラジムシ)。島根は報告がないかも。


これは海岸の普通種Alloniscus balssi(ニホンタマワラジムシ)。

この種で良いのだろうけど、胸脚に見られる種の表徴の一つが体サイズによって変化するらしい、ことが判明。つまり、成長すると変化する形質を種の表徴の一つとしているので、小さい個体だけを観察すると間違う可能性がある。実は別種だったりして。


と、まぁ、超普通種でも結構苦戦を強いられている。

午後からはササラダニ論文。引用とか細かいところを確認して、第1縞完成。と言っても、標本番号もDNAのアクセッション番号の取得もこれからだけど、、、。読んで下さいメールを送ってみる。ナカナカ良いできだと思うけど、どうだろうか。

かなりの間放置していた卒論をちょっとだけ読んで終了。

2013年2月20日水曜日

見切れ

書類作成、学会のお仕事、島根サンプルの解剖で午前が終了。

昼に小さな会議を2つこなす。結構、大変そうな仕事を任されてしまった。順番なので仕方が無い。

午後はササラダニ論文。大体終わったかな。明日見直して、トある人に客観的な意見をもらおう。

卒論も修論も終わったということで、お疲れ会。あと一月で卒業、早いもんで。見切れている人は、4月からも残る予定だけど。

2013年2月19日火曜日

修論発表会

午前中は、大学院生の修論発表会。午後は、その審査会ということで、ほぼ1日が終わった。

発表会の聴講者が少なかったのが残念だったけど、審査員の先生方もナカナカ評価してくれたので良かった。内容の一部は、すぐにでも投稿しておきたい。頑張らなければ。

発表題目は、

1.日本産潮間帯性ササラダニ類の分類学的研究
2.ワラジムシ類の表面微細構造―化学生態の解明に向けて―
3.日本産サソリモドキ類の分子系統地理学的研究

ダニ媒介ウイルスによる死亡者がどんどん増える様相を呈してきた。とは言え、スズメバチによる死者よりも少ない訳で、、、と考えるべきか。野外実習が少しやりにくいな。

2013年2月18日月曜日

違う

しばらくは、ササラダニ論文と島根ワラジムシ類に没頭しなければ、と思い、午前にワラジムシ、午後にササラダニ、と決めたが、あっさりとその決断は破られ、一日中ワラジムシの観察で終わった。

まだ、4、5種しか確認していないが、日本初記録種が何種類かいる、、、。

Quelpartoniscus属の一種。日本からは2種が報告されているが、どちらとも違うみたい。SEM用に標本を準備。

2013年2月16日土曜日

修論発表会の練習。合間にササラダニ論文を進める。放置していたが、表がかなりの修正が必要なようで、地道に進める。

2013年2月15日金曜日

ヒキガエル

午前中は、ラス1の修論原稿の対応。どうにか終わったが、、、。

午後は、ササラダニ論文。細かな修正の段階まできたと思ったが、まだまだ読み返しただけ修正点が見つかる。3歩進んで2歩下がった感じか。

合間に、ヒキガエルチョコを食べてみる。

2013年2月14日木曜日

バックアップ

サマーミーティングの参加登録したり、ササラダニ論文書きしたり、と結構自分の仕事を進めてしまった午前中。

午後からは、ラス1となった修論原稿読み。もう少し手直しが必要。

バックアップ用のHDが、、、


壊れた。


一応、修復できて、データも取り出せるけど、、、このまま使って大丈夫なのか?

2013年2月13日水曜日

怒られる

いい加減、審査の先生に怒られるのでは、という状況になってきた修士論文。審査会は来週火曜日。本学の修士の口頭試問は、ナカナカ厳しい。

今日も一日バタバタして、どうにか2名分は完成。見直すと早くも修正点が見つかるが、、、。


合間に、台湾のサソリモドキのシークエンス結果が返ってきたので整理して、簡単な系統樹を作成してみる。


ナカナカ面白い結果。早速、共同研究者に報告。反応も良好。あとは、論文を書くだけ、、、。

2013年2月12日火曜日

こんな場所

修論原稿読み、合間に少しだけササラダニ論文を進めた。

台湾で最もコシビロの個体数密度が高かったのはこんな場所。


林内では1個体も見つけることはできなかった。

2013年2月11日月曜日

増加中

修論原稿読みの一日。

合間に、少しだけ締切間近の書類書きを行う。ササラダニ記載論文も細かな修正をしようかと思い、久しぶりに眺めたら、大幅修正が必要な気がしてきた。去年中には終わる予定だったのだが。

缶コーヒー摂取量が増加中。


明日が正念場となりそう。とある集まりがあったのだが、多分出席できませんメールを送っておくことにした。

2013年2月10日日曜日

差し切り

少しだけ大学にきて修論の修正しただけの一日。

偶然観た京都記念で武豊の見事な差し切りが見られた。

2013年2月8日金曜日

バタバタ

年度末になり、色々な締切が迫ってくる。

元々少ないだが、あとわずかの予算をどのように使うか考えたり、締切書類を書いたりして午前中が終了。

シークエンスデータを確認してみる。これは島根のサンプルのデータ。10種以上はいるのかな?何となく分かってきたぞ。


で、今日は、修士論文の大学への提出締切ということで、ギリギリになってバタバタ。本学はちょっと変な仕組みで、審査会は再来週になる。ということで、これからが頑張りどころ。

2013年2月7日木曜日

総括

修論読み、書類書き、会議、修論読み、シークエンスデータ整理。

バタバタした一日だった。

台湾の思い出、総括。

良いとこだった。治安も良い。そして、大都会だった。


ということで、決して、物価は安くない。繁華街のレストランとかは、日本とほぼ変わらない。ただ、屋台などで食べれば、100円ぐらいで食べられる。


ポナペ島、トラック諸島、グアム、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス、スペイン、イギリス、デンマーク、マレーシア(ボルネオ島)、スロベニア、に続く13番目の海外の地として記憶に刻まれた。今年は、できれば、コスタリカとオーストラリアに行きたいが、、、。

2013年2月6日水曜日

3日目の思い出

サソリモドキのDNA抽出、そして、PCRを開始。

授業の準備を少しつつ、そろそろニューズレターが郵送されそうなので、土壌動物学会大会のHPを整備も進める。会員でなくても参加はできますので、沢山の方々の参加をお待ちしております。

午後から授業。終了後、PCR産物を泳動してみるが、見事にシングルバンド〜。ということで、シークエンスへ、と思ったが、今週末に迫った修論読みで、一日が終了。

色々と書類書きが溜まっている。誘ってもらっていた、とある助成金は諦めた。明日、締切の書類は、書かないとだめだろうな。

台湾3日目の思い出。

3日目は、まず、地下鉄で行ける最も北の淡水という港町へ。

港町でも2日目に行った基隆のような感じではなく、観光のための港町といった風。横浜や神戸のイメージかな。


ここでは広域と思われる種類を3、4種ほど採集。Burmoniscusの一種。沖縄にも広く分布する種だと思う。


一通り採集が終わったので、初日に行った場所にもう一回行ってみようと駅まであるいたら、ナカナカでかいブタがいた。

2013年2月5日火曜日

2日目の思い出

修論読み、授業、授業の準備、修論読み、な一日。

台湾2日目の思い出。

台湾2日目は、台北市の隣、基隆の町に行くことに。地下鉄と違って、紙製の切符で電車にのる。自動改札機は、日本のと同じかも。


基隆は国際船も入港する港町。


海外からの移動が盛んな場所なので、このような場所には広域分布種が入りやすいだろう、と狙ったのだが、花壇の中で見事に広域のコシビロを発見。

多分、沖縄島の那覇とか、石垣島や宮古島の空港で採取した種と同じだと思う。これは、名前がつきそう。


オカダンゴムシのイメージを持ったままワラジムシ類の採集を行うと、「ワラジムシ類ってあまりいないな」とすぐに思ってしまう。コシビロって、結構、小さいんです。これで成体。


と、ま〜普段、こんな研究をしている私ですが、来月、話をしますので、近くに住んでて、暇な人は聞きにきて下さい。

2013年2月4日月曜日

1日目の思い出

昨夜、無事に台湾から帰国。近い。飛行機に乗っているのは、行きが2時間強で、帰りは2時間弱だった。

天気にも恵まれ、ホントに良い印象しかない。とりあえず、治安が良いので、安心してウロウロできるのが良い。

1日目の思い出。

1月31日の午前中に福岡を出発。昼に台北の台湾桃園国際空港に到着。色々とバタバタして、2時頃にホテルに到着。チェックイン時間前だったけど、部屋に入れてくれた。

ということで、早速着替えて出掛ける。

出発前にネットで調べた、地下鉄で行けそうな登山道を目指す。地下鉄は日本の方式とほぼ一緒。ただ、切符の代わりにコインが使用されている。


30分くらいで目的の駅に到着。良くテレビで観る風景を眺めて、登山道へ。登山道と言ってもコンクリート舗装されており、近所の方々の散歩コースになっているようなところ。


ちょろちょろと落葉をめくって見るが、ヤスデ、シロアリ、ゴキブリ以外、あまり動物がいない。これは、ナカナカ苦労するな〜と思ったところ、、、いきなりサソリモドキを発見〜。


もちろん、サソリモドキも今回の目的の一つだったのが、内心は難しいと思ってた。というのも、これまでの報文を読むと(1本だけど)、そこに書かれている標本の全てが南部の高雄で採集されたものたっだので。台北市内でどうかな〜と。

近くでさらに1個体を発見し、結果、2個体を初日でゲット〜。ワラジムシ類は、広域種と思われる種を、家の庭の落葉をガサガサして採集しただけ。

しかし、結局、これが最初で最後のサソリモドキとの出会いだった。早速、DNA抽出を始める。