2019年4月4日木曜日

昆虫と自然 2019年 4月臨時増刊号

午前
・データ整理

午後
・データ整理
・会議
・論文書き

昆虫と自然 2019年 4月臨時増刊号、の特集は「昆虫の性決定」で、とても面白い、というか、こんなに研究が進んでいるんだと感心してしまった。

昆虫の近縁なグループということで甲殻類(ミジンコ)も紹介されている。

読む前は、生態的要因に関する内容に期待していたのだが、本特集では分子レベルでの決定メカニズムを扱っている。

昆虫には多様な性決定メカニズムがある。例えば、人と同じようにXX、XYの性染色体を持つものから、染色体の数が異なるものなど、性染色体の組み合わせだけでも覚えるのが大変なほどである。

しかし、分子レベルの研究が進むと、性決定の遺伝子カスケードの下流で、ダブルセックス遺伝子(dsx)が働くことが分かってきた。また、甲殻類のミジンコにおいてもdsx遺伝子の相同遺伝子が関わっているそうだ。

一方で、dsx遺伝子へ働きかける上流の反応は極めて多様で、まだまだ研究が続きそうだ。最先端の分子生物学的手法が用いられており、とても刺激的な一冊となっている。

また、特集ではないが、ヒメオサムシの体サイズ決定要因の論文も掲載されており、その中に餌資源となるミミズとの関係性について、大きなヒメオサムシが分布する地域のミミズは大きいことを報告している。