2017年11月10日金曜日

オカダンゴムシの雌の性染色体

すごい論文を見落としていた。

Birth of a W sex chromosome by horizontal transfer of Wolbachia bacterial symbiont genome.
Leclercq (2016) PNAS, 113: 15036–15041

30年以上前、Legrandらによって提唱されたある仮説を証明した論文。

その仮説とは、オカダンゴムシの雌の性染色体(W染色体)が一度失われ、その後、ボルバキアのゲノムがオカダンゴムシの常染色体常に組み込まれ、それが雌の性染色体として振舞っている、というもの。

内容はざっくりと、次世代シーケンサーを用いてオカダンのゲノム解析をし、そこにボルバキアと相同の遺伝子が確認された。そして、それは雌のみで確認された。また、実験に使ったオカダンの卵母細胞ではボルバキアが確認されないことで、この遺伝子はボルバキアのものではないことを確認している。

遺伝子データが示されたことで、一気に研究が進みそう。ただ、オカダンは核型の観察が難しく、遺伝型の決定には組わせ交配実験が必要。もっと扱いやすい種を日本で見つけたい。

武豊、怪我でスマートレイアーに乗れない、、、残念なニュースだ。