2019年10月24日木曜日

進化で読み解く バイオインフォマティクス入門

午前
・標本整理

午後
・統計ゼミ


進化で読み解く バイオインフォマティクス入門

著者を偶然知ったので買ってみたのだが、大正解だった。

バイオインフォマティックスとは生命情報科学などと訳され、生命現象を数学的に扱う分野である。

タイトルに「進化で読み解く」とあるが、決して、進化学だけで扱われる分野ではなく、医学などでも非常に重要な分野で、最もホットな研究分野の一つである。

具体的には遺伝子やタンパク質データをコンピューターを使って解析をしていくのだが、当然、そこには高度な数学能力やPCを使いこなす能力が必要となる。

しかし、高校までの、生物学=暗記、と信じてきた私のような人間にとって、数学もコンピューターも扱うことは苦手である。

そこで、数学的なことは置いておいて、、、と、How to本を見ながら、なぜ、こうなるのか良く分からないが結果が出たので良しとしようと逃げ道を探ることになる。エンドユーザーと呼ばれることもある。

じゃー、頑張って勉強するかと専門書を開くと、、、難しい数式のオンパレードで挫折してしまう。

このような私が、最低限のバイオインフォマティックスの知識を学ぶのに適しているのが本書である。

数式は最低限に抑えられながら、非常に幅広い分野を簡潔に説明されている。例えばアライメントなどはしょっちゅう行っているのだが、その理論についてはほとんど分かっていなかったが、本書のおかげで理解できた。

具体的な解析に関するHow toは少ないが、各章末にソフトの紹介がされており、実際に解析をする際には役に立ちそう。

系統解析の作業について、学生から質問されたら、ひとまずこれを読んでみてと、自身を持って勧められる一冊。

系統解析のエンドユーザーは必読の一冊。ちにみに、筆者が授業で使用している資料はHPから入手できるみたい。

もくじ
1.分子・ゲノムに関する基礎知識
2.遺伝と進化に関する基礎知識
3.集団内・種内の配列解析法
4.種間の配列比較法
5.配列のアライメントと相同性検索法
6.分子系統樹作成法
7.機械学習による予測法
8.遺伝子配列決定法とアセンブル法
9.遺伝子発現情報解析法
10.タンパク質解析法
11.データベースへのアクセスとその利用法