2011年5月10日火曜日

ラクトース

ポスターを見直したら、ウイルスをウイリスと誤植しているところが多々。

よく人間の進化の例として出てくるのが、ラクターゼ活性の量。ラクターゼは牛乳などに含まれるラクトースを分解する酵素。日本人を含む多くのほ乳類は、幼児の頃はラクターゼの活性が高いが、成長するにつれて活性が低くなる。

これは、幼児の頃は母乳に含まれるラクトースを分解する必要があるが、成長するとその必要がなくなるためと考えられる。したがって、日本人の成人が牛乳を飲むとラクトースを上手く分解できず、下痢等の症状を引き起こすことがあり、これは乳糖不耐症と呼ばれる。

しかし、乳製品をよく飲食するヨーロッパ人は成人になっても、このラクトースを分解することができ、これは食べ物に対する適応進化と考えられる。多少の批判はあるようだが、民族間でラクターゼ耐性にかなり違いがあり、とても興味深い。

何となく知ってはいたが、きちんとしたデータが欲しいと思って、探していたら、「食べることに自信を無くした日本人,島田彰夫著」に書かれていた。

せっかくなので読んでみたら、誇張しすぎだと思う部分があったが、ナカナカ面白い本だった。とくに、そもそも温帯の日本人が、寒帯のヨーロッパ人の栄養学を参考にするのは間違いという主張はなかなか興味深い。日本にいても、夏と冬では食事の量とか内容が変わるわけだから、言う通りかも知れない。

そもそも、現在の食生活は戦後、貧しかった頃の日本が裕福の象徴として作り上げた面もあると思う。本当に日本にあった食生活を考えても良い時期かも。食べることがあまり好きではない私としては、どうでも良いが。

乳製品を良く飲食するヨーロッパ人の方が日本人よりも骨折しやすいという報告もあるそうで。給食には必ず牛乳が出てくるけど、むしろ、牛乳は体に悪いという主張も沢山あったりと牛乳にまつわる話は根が深そう。