2011年7月23日土曜日

Hornungの1

昨日、今日と、とても涼しい。こういう日に調査に行くべきなんだと思った。

8:00から免許状更新講習のサポート。受付のときだけ会場に居て、あとは研究室で待機。とくに問題は起こらず。

最近は、ずっと種分類問題ばかりやってたので、気分転換にと思い、ワラジムシ類の進化に関する総説を読んでみることに。

Evolutionary adaptation of oniscidean isopods to terrestrial life: structure, physiology and behavior
Hornung(2011)Terrestrial Arthropod Reviews, 4, 95-130

この論文、大きくは、形態・生理と生態に分かれている。まず、形態・生理から始まるのだが、ことごとく単語が分からない。他の論文を参考して読んでみるが、1/3も進まず、終了。余計にストレスのかかる一日となった。

Morphological and physiological adaptation(形態と生理の適応)
Cuticle(表皮)

exoskeleton(外骨格、クチクラ)は、外側から、epicuticle(上クチクラ)、exocuticle(外クチクラ)、endocuticle(内クチクラ)、innermost membranous layer(= hypodermis? = 下皮?)から成る。


上・外・内クチクラは、結晶・非結晶の炭酸カルシウムを含み、石灰化している。

ワラジムシ類の表皮の構造は海産甲殻類とほぼ同じだが、ロウ層とセメント層があるのが特徴である。これらは乾燥への適応と考えられる。*図には描かれていない。上クチクラの上だと思う。

脱皮は、まず、後半分を行い、その後、前半分を行う。

脱皮前、体の後半分の表皮のカルシウム(炭酸カルシウム、リン酸カルシウムとして)は再吸収され、前半分やhaemolymph(血リンパ)などに保持される。脱皮終了後、そのカルシウムは再利用される。また、脱皮殻を食べミネラル分(無機物質)を再利用することもある。

脱皮中のミネラル動態などは種間で差異がみられる。

「メモ」
1.cuticle(表皮)とexoskelton(外骨格)は同義として使用して良い?
2.外クチクラと内クチクラはキチンを含み、procuticle(原クチクラ)と呼ばれる(節足動物の多様性と系統)。
3.キチン:多糖の一種。真菌類の細胞壁にも含まれる。これを分解するには、キチナーゼが必要。